
from 師範代Shinya(マレーシアのホテルから)
(→前回のつづき)
車で山の中を1時間半ぐらい登り続けた後、突然、映画「ジュラシックパーク」の中で見たようなゲートが、目の前に現れました。
ガイドのマットさんが、車の助手席から降りて、そのゲートを手動で開けに行きました。
ゲートが開くと、その先には道とは呼べないような狭い通路が見えました。
マットさんが助手席に戻ってくると、そのまま車でグイグイ進んでいきます。
車のフロントガラスからは、ほとんど道が見えません。
両サイドからは、ジャングルのように生い茂った草木が伸びています。
4WDの小型バスならではの機動力を活かしながら、かろうじて車がギリギリ通れるぐらいのスキマを、グイグイ進んでいきます。
今にも恐竜が目の前に飛び出してきそうな光景に、僕はワクワクしてきました。
隣にいる娘がどんな目でこの光景を見ているのかと思い、視線を移すと・・・寝ていました!
ガッツリ寝ています!
本当は起こしてこの景色を見せたいところですが、ギリギリまで寝かせてから起こした方が、この先の道中を自力で歩いてくれる確率が上がるだろうと思い、そのままにしておきました。
道の先が見えないジャングルを歩くドキドキ感
車で行けるギリギリ地点までたどり着いた後、僕たちは車から降りて、歩いて先に進むことになりました。
ここからさらに、上に登っていくようです。
下から見上げると、石で出来たゴツゴツした細い階段が、ひたすら上まで続いています。
両サイドにジャングルの草木が生い茂っているので、道の先は見えません。
せいぜい数十メートル先ぐらいまでしか、視界が届かないのです。
「ジャングル探検」という言葉がピッタリな環境に、心臓がドキドキしてきます。
気温は思ったよりずっと涼しくて、驚きました。
ガイドさんによると、ここは標高900メートルぐらいだそうです。
天気も曇りで、午前には雨が降ったばかりだったので、空気全体がしっとりしていて、肌に涼しさを感じさせます。
そして、僕の中で非日常を感じるもう1つの要因が、「音」でした。
とにかく静かなのです。
車のエンジン音や、人々の話し声、エアコンの風の音、店から漏れてくるBGMなど、ふだん生活していると無意識に聞こえてくる雑音が、一切ありません。
びっくりするぐらいの静寂の中に包まれています。
その静けさの中に、遠くにいる鳥やセミの鳴き声が聞こえてくるのです。
先も見えず、音もない。
そんな環境に身を置くと、自然と意識が「今」にフォーカスするのを感じました。
ここは神聖な場所だということが、空気から伝わってきました。
日本人しか入れない場所
僕らをここまで連れてきてくれた車のドライバーさんから聞いたのですが、この場所は、普段から地元の人ですら入れない、閉ざされた空間だそうです。
そして、「日本人限定」で入れているそうです。
その理由は、「日本人は、昆虫や植物などの自然へのリスペクトがあるから」だそうです。
日本人は、勝手に植物をちぎって持って帰ろうとしたり、昆虫を傷つけたり、自分勝手なふるまいをしないので、安心してこの場所に入れられる、と言っていました。
僕はそれを聞いて、なんだか誇らしい気持ちになりました。
確かに、日本は文化的に自然を尊敬する習慣があると思います。
おそらくこれは、神道とつながりがあるのでしょう。
「山の神」とか「川の神」という概念があるので、神様を怒らせるような振る舞い=自然破壊はしないという、共通の認識があると思うのです。
以前は、他の国の観光客も受け入れていた時期があったそうですが、ツアーの後に山の中の植物や昆虫がまったくダメージを受けないのは、日本人の観光ツアー客の時だけだったと言っていました。
夏休み時期を外して行くメリット
ちなみに、7月20日以降になると、一気に日本人団体客が増えるそうです。
小学校が夏休みになるので、親子連れの申し込みがドドッと来て、そのまま8月下旬までの1ヶ月間、連日満席になると、ガイドのマットさんが言っていました。
満席だと、だいたい40〜50人ぐらいだそうです。
僕は今回、「ベルトラ」というツアー会社経由で申し込みましたが、他にも同じツアーをHISなどの旅行代理店がいくつか扱っていて、違うツアー会社経由で来た観光客が、同じタイミングでここに集まるそうです。
でも、今回は夏休み時期を外したおかげで、ツアー客は僕と娘の2人だけでした。
いくら自然へのリスペクトがある日本人とはいえ、50人もいたら、人々の話し声でざわざわするでしょう。
こんなに山の中の静寂をじっくり味わうことはできなかったはずです。
元気で活発な小学生男子たちが、山道を走り回っていたかもしれません。
高くても投資元が取れる
今回のツアーは、最小催行人数は「大人2人」でした。
僕が申し込んだ時には、他に誰もいなくて、「大人と子ども1人ずつ」で申し込みましたが、催行のための保証金として、「大人2分の料金」を、前払いで支払いました。
もし、他のツアー客が申し込んだ場合は、保証金は返金される仕組みでした。
大人と子どもでは、金額が倍ぐらい違ってくるので、「同じ日に他のツアー客が来てくれたらいいな〜」と思っていました。
でも、実際にここに来て思ったのは、
「むしろ良かった!娘と2人だけでこの空間を味わえることには、保証金以上の価値がある!」
ということです。
ガイドさんも、山の中の自然も、独り占めしながら堪能できるのは、とても贅沢な時間です。
僕は、到着早々そんな気持ちになりながら、ジャングルの中の石の階段を登っていきました。
・・・つづく。
P.S.今回の昆虫採集ツアーは日本語ガイド付きでしたが、ボルネオ島の旅全体では、空港、ホテル、タクシー、ツアーの現場など、英語を使う場面が次々にありました。
英語が話せると、ただ有名な観光地を回るだけではなく、現地の人に質問したり、予想外の出来事に対応したりしながら、旅の奥深くまで入っていけます。
今回の旅で僕が実際に使った、普通の旅行英会話教材にはあまり載っていない少しマニアックな英語フレーズ30個を、動画セミナーにまとめました。
ボルネオ島を一緒に旅するような気分で、楽しみながらご覧ください。
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