最初にお客さんと一緒に「ステージの盛り上げ練習」をやってうまくいったおかげで、その後の会場の雰囲気が明らかに変わりました。
拍手も今までよりも大きくなり、観客からのかけ声もよく出るようになりました。
踊っている中高生の友達が数人で、大きな声で名前を呼ぶことが増えました。
踊っているメンバーも、いつもよりテンションが上がっているようでした。
僕は前から発表会で「静かにお行儀良く見る」という図式を壊して、自由な雰囲気にしたいと思っていました。
自分がMCになることで、それが実現できたことが嬉しく感じました。
僕はショーの最中も、次の曲と踊るチームの名前を紹介していきました。
・ステージに出て手持ちマイクで話す
・姿を表さずにウラのマイクから話す
を繰り返してメリハリをつけながら、事前に練った原稿通りに進めていきました。
全体的にダレてきたなと思ったら、「観客全員でチーム名を叫んで、曲が始まる」という演出も取り入れてみました。
そうやって変化をつけながら、アドリブも交えつつ、進めていきました。
スターの力
ちなみに、今回のように、「大勢の前に出て、アドリブも入れながら話す」ということを僕が初回からいきなり実現できたのには、2つの理由があります。
①演技の学校の授業で鍛えられた。
②もともとの性格が「スター」なので、人前に出るのが合っていた。
①の演技の学校での体験談は、以前の記事で「演技編」の中で詳しくお伝えしましたが、僕は19才~21才までの3年間、アクション俳優を目指して東京の演技スクールに通っていました。
そこでは、日本語の滑舌やイントネーションなどを、すごく厳しく直されました。
また、腹式呼吸を使った大きな声の出し方、台本を見ずに話すためのコツなど、たくさんのスキルを体系的に学びました。
②の性格は、最近の記事シリーズで「ウェルスダイナミクス」という性格診断テストについてお話ししました。
ウェルスダイナミクスは、もともと持っている性格の強みと弱みを診断して、強みを活かした道を示してくれるメソッドです。
8つある性格タイプのうち、僕のタイプは「スター」と呼ばれるものになります。
スターは、大勢の前でスポットライトを浴びながら、アドリブを交えて観客とコミュニケーションを取っていくのが得意なタイプです。
そういった場では自分の力が発揮できて、生き生きしてくるのです。
①これまで訓練した演技スキル
②元々の性格タイプ
この2つが組み合わさって、ダンス発表会のMCの仕事は、僕にとっての天職のように感じられました。
自分が踊る番
しばらくノリノリでMCをこなしていましたが、ついに自分が踊る番がやって来ました。
僕が踊るのは、全部で2曲です。
1曲目は、自分たちで好きな相手と2人~5人ぐらいのチームを組んで、自分で自由に振り付けして踊る曲。
2曲目は、先生が振り付けして全員で踊る曲。
1曲目は、自分で自分のチーム紹介をしました。
僕:「次は、僕も踊ります!曲名は、○○です!」
観客:「イェ~イ!!シンヤ~!!」
僕:「おぉ~!!ありがとうございます!!」
これまでの「かけ声レクチャー」をした成果が、自分に返ってきました。
僕は、モチベーションがグンと上がりました。
いつも以上にエネルギーを出していこう!と思いました。
ところが・・・
踊り始めて30秒ぐらいした頃に、早くも息切れしてきました。
全身の筋肉に酸素が行き渡らないようで、身体全体にダルさが出てきました。
(あぁ、この感じ、久しぶりに味わった・・・ダンスを始めて1年目によく感じていた現象だ・・・)
慣れない動きをすると、身体がついていかずにエネルギーをロスするので、疲れが早くやって来ます。
筋肉に乳酸がたまり、動きがにぶくなっていきます。
踊るパワーが残っていない?!
今回のステージのための練習をしている時には、こんな状態になったことは一度もありませんでした。
ちゃんと曲の最後まで体力が持ったのです。
まさか本番でエネルギー切れを起こすとは!
僕は焦りました。
踊りながら、どんどん重く感じられていく自分の身体を感じながら、気付きました。
(もしかして、これまでのMCの仕事で体力を消耗しているのかもしれない・・・)
と。
そうでなければ、このエネルギー消耗度は説明がつきません。
思い返せば、午前中のリハーサルの時から緊張がMAXでした。
そして本番が始まってからは、最初は手が震えるほど緊張しました。
でも、その後は観客と一体感を感じてフローに乗ったおかげで、疲れを一切感じなくなりました。
でもそれは、一時的にハイになることで疲れを感じなくなっていただけで、エネルギーを消耗していたことに変わりはないのです。
でも、今こうして踊り始めたことで、全身に疲れが一気に吹き出したのです。
(うぉ~!!身体がどんどん重くなっていく!!頼む!最後まで持ってくれ!!)
僕は、悲痛な気分で最後まで踊り続けました。
曲が終わった時には、やり切った感よりも、疲れた感の方が強く残りました。
これはヤバいな・・・ピンチ!!この調子で2曲目も踊れるのか?
僕は不安になってきました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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