【中南米のダンス・サルサの世界31ダンス編166】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
※僕が20代の頃、初めてサルサダンスを経験した時の体験談の続きです。ダンス編は毎週日曜日に更新中。

 

「あれ?ウッチー?!」

「あれ?新村さん?!」

想定外の場所で再会した僕とウッチーは、お互いに驚いていました。

僕:「なぜウッチーがここにいるの?」

ウッチー:「新村さんこそ、なんでここにいるんすか!」

僕:「俺はここしばらく、サルサのレッスンを受けてるんだよ。」

ウッチー:「マジっすか!ガチっすね!俺はたまにパーティーに来るだけっすよ。」

僕:「そうなのか!お互いに情報交換してないのに、同じタイミングでサルサに興味を持つとは!」

ウッチー:「驚きっすね!」

僕:「しかもウッチー今、外国人と英語で話してなかった?」

ウッチー:「そうでよ~!あんま勉強してないけど、ノリで話してます。こういうのは、ノリが大事じゃないっすか。」

僕:「だよね。実は俺も、英語を勉強しててさ。最初の1年目にはこのバーには週3ペースで通ってたんだよ。」

ウッチー:「マジっすか!!俺は最近来るようになったんですけど、時期がかぶってたらもっと早く会ってたかもですね。」

僕:「だね!ウッチー英語にも興味があったとは・・・なんか俺たち、趣味が似てるっていうか、同じだね。」

ウッチー:「ホントですね!」

僕:「離れてからだいぶ経つのに、まさか同じダンスと英会話に興味を持つとは・・・」

ウッチー:「俺たちは、離れてもつながってるってことですよ!新村さん!」

僕:「そうだね!ところでウッチー、1人で来てるの?」

ウッチー:「いえ、友達2人と一緒です。あそこにいる2人です。」

ウッチーが指さした先のバーカウンターでは、20代前半~なかばぐらいの、オシャレでルックスが良い女性が2人並んでお酒を飲んでいました。
ウッチーが見ているのに気付くと、2人ともウッチーに手を振っていました。

僕:「おぉーー!!さすがウッチー!色男だね~!」

ウッチー:「いやいやいや。」

僕:「ところでウッチー、サルサも踊れるの?」

ウッチー:「踊れるってほどじゃないっすけど、まあ、ノリで何とか。」

僕:「英会話と一緒だよね(笑)」

ウッチー:「そうです!それに、パーティーの前に初心者向けのレッスンやってるんで、毎回受けてるんですよ。月イチペースですけど。」

僕:「そうか!実は俺も今の週1レッスンに通う前には、パーティーの前のレッスンを受けてたんだよね!タイミングはかぶらなかったか!」

ウッチー:「えー!そうなんだ!あれ、いいっすよね。初対面の女性と手をつないで踊るなんて、日本では経験できないっすよ!」

初心者男性にとってのサルサの魅力

僕:「そうそう!俺も最初はそれでドキドキした!しかも、外国人女性の手をつなぐ経験ができるとは!」

ウッチー:「そうそう!ふつうは、英語がしゃべれないと、外国人女性の手を握るなんてできないじゃないっすか!でも、サルサではそれができちゃう!ドキドキですよね!」

僕:「それだけでも、サルサを学ぶモチベーションになるよね。最初の頃は。」

ウッチー:「今はどうなんですか?」

僕:「いや、それがさ、今実はモチベーションが落ちてるんだよね。」

ウッチー:「マジっすか!もう慣れてドキドキしないんですか?」

僕:「それもある。サルサを毎週習ってると、初対面の女性と手をつなぐことは当たり前になるよ。その次は、自分がうまくリードして踊れないことにフラストレーションを感じるようになるさ。」

ウッチー:「おぉ!そうなんだぁ!だいぶ先を行ってますね~!」

僕:「で、最近は俺、もう1つ大きなカベを感じててさ。」

ウッチー:「なんですか?」

僕:「自分が派手に踊れないこと。HIPHOPやブレイクダンスみたく、回ったり飛び跳ねたり、派手な動きができないじゃん!サルサの男性役は。」

ウッチー:「おぉーー!!分かります!!それ、分かります!!」

僕:「分かってくれるか-!ウッチー!!」

ウッチー:「俺もまったく同じこと思っていました(笑)」

ウッチーの共感と提案

僕:「だよね!やっぱりHIPHOPダンス出身者には、サルサの男性役は物足りなさを感じちゃうよね?」

ウッチー:「そうですよ!もっと自分がスポットライト浴びたいっすよ!」

僕:「そうそう!女性をターンさせるより、自分がターンしまくりたいよ!」

ウッチー:「そうそう!自分が回りたい!派手に飛び回りたいっす!」

僕:「おぉー!ウッチー!!分かってくれるか!!さすが!!やっぱウッチーは心の友だよ!」

ウッチー:「分かりますよ!新村さん!俺たちはまだ、女性をリードするより、自分が注目を浴びたいんですよ!大人の男になれてないんですよ!」

僕:「そう!まさにその通り!実はこれ、誰にも言えなくてさ。サルサやってる人たちの前では特に。」

ウッチー:「ですよね!でも、新村さん!今夜はパーティーですよ?パーティー!」

僕:「ん?」

ウッチー:「パーティーでは、ふだんのルールなんて関係ないですよ!俺たち男が派手に踊ってもいいんですよ!飛び回ってもいいんですよ!きっと!」

僕:「マジ?つまり、フロアに出て踊っちゃうってこと?」

ウッチー:「踊っちゃいましょう!そして、怒られたら引っ込みましょう!」

僕:「だね!じゃあ、次の曲で出ちゃうか?」

ウッチー:「出ちゃいましょう!」

そして僕たちは、ダンスフロアに飛び出していきました。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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