※僕が20代ダンススクールに通っていた頃の体験談の続きです。ダンス編は毎週日曜日に更新中。
HIPHOP音楽が日本でブームになるにつれて、だんだんファッション業界にも影響が出てきました。
それまでは、マイナーなお店に行かなければ手に入らなかったHIPHOP風の服が、普通のお店でも売られるようになってきたのです。
僕が当時働いていたジーンズショップは、価格帯が低いジャンルの「ファストファッション」と呼ばれる服を売っていました。
ユニクロや、しまむらと同じ価格帯です。
新しいファッションの流行のステップは、当時はこんな感じで広がっていきました。
↓↓↓
①超最先端で高額のファッションを扱うマイナーで小規模なお店で、あるジャンルの服が人気になる。(渋谷、原宿など)
②その流れを見た、オシャレで高価格帯のチェーン店(マルイなど)が、同じジャンルの高めの服を扱い始める。
③それを見た低価格帯のチェーン店が、同じテイストで安い服を売り始める。
④安くてどこでも手に入りやすくなることで、一般層の間で一気に広まる。
⑤中高生までもが同じテイストの服を着るようになる。ここまで広がると、同じテイストの服を大人が着ていると逆に「子供っぽい」とか「若ぶっててダサい」とか思われるようになる。
⑥一気に広がった反動で、数年後には「時代遅れ感」が強くなり、一気に廃れていく。
という流れです。
僕のお店で扱われ始めたということは、③~④の段階に来ているということです。
これは、HIPHOPファッションは持ってあと2~3年だろうな・・・とうすうす感じ始めていました。
乱立する「黒人ショップ」
同時に、僕が住んでいる静岡エリアには、「黒人ショップ」と呼ばれるお店が乱立しました。
黒人ショップは文字通り、黒人が店員をしているHIPHOPファッションのお店です。
店の前には大きなラジカセが置いてあって、バリバリのHIPHOP音楽がかかっています。
そして、店員さんたちはみんなHIPHOPファッションに身を包んだ大柄な黒人たちです。
ダボダボファッションがすごく似合っていて、カッコいいです。
黒人ショップのお店を通りかかると、強烈に「アメリカの雰囲気」を感じることができました。
そして、黒人ショップの店員さんたちは、いつも通りに出ていて、お客さんの呼び込みをしています。
若者を見付けると、「Hey! What’s up?」と英語で黒人ぽいあいさつをしてきます。
その後はカタコトの日本で話しかけてきて、「イイ服アルヨ~見テッテヨ!」と店内に引き込もうとするのです。
店内に入ると、HIHOP音楽の爆音と共に、海外から輸入した本物ブランド(多分)のHIPHOP服がズラッと並んでいます。
価格帯はけっこう高めです。
ペラペラのTシャツ1枚でも、1万円以上はします。
ベッタリ接客
たいていは2~3人の店員さんがいて、入ってきたお客さんにベッタリ貼り付きます。
そして、しきりに「コレカッコイイヨ!似合ウヨ!オ兄サン!」とか言ってきます。
大柄な黒人数人に囲まれるとけっこう威圧感があるので、ムリヤリ買わされたと感じる人も多いと聞きました。
実際に、10代の若者をビビらせて悪どい売り方をする黒人ショップもあるらしいのですが、少なくとも僕が行ったお店ではそこまで強引ではありませんでした。
それに僕は、当時25才で同じファッション業界にいたので、
「あまり強引な売り方をして警察沙汰になったら商売ができなくなるだろうから、そんな過激なことはしてこないだろう」
という確信もありました。
実際、僕が黒人ショップで買った服は1着だけです。
後は毎回、店内から感じる「本場アメリカ」の雰囲気を楽しんでいました。
おそらく黒人ショップのバックには、日本人の経営者が付いているとは思います。
でも、僕が入ったお店では店内には黒人だけで、日本人の店長っぽい人を見かけたことは一度もありませんでした。
これはおそらくですが、
「本場アメリカからやって来た、黒人が経営する本物HIPHOPブランドのお店で買った服」
という満足感を、お客さんの若者たちに与えるのが目的だったと推測しています。
そのためには、店内に日本人スタッフがいてはいけないのです。
店員さんはアメリカ人じゃない?!
でも、店員さんは実はアメリカ人ではないことに気付いてしまいました。
よくお店の前で黒人の店員さんがケータイ電話で早口で話しているシーンを目撃したのですが、明らかに英語ではありませんでした。
まだ英会話を始める前の僕の耳にも、彼らの言葉が英語ではないことは分かりました。
店員さんは日本語はそこそこ上手でしたが、英語をしゃべっているところをあまり聞いたことがありませんでした。
今思うと、黒人店員さんたちは、みんなアメリカ人ではなかったと思います。
人件費の安いアフリカから黒人を連れてきて「本場アメリカの黒人店員」に仕立て上げて、最初のあいさつだけ「What’s up?」とか英語を言わせて、それっぽい雰囲気を作っていただけでは?と思います。
もし自分が英会話をある程度できれば、黒人店員さんたちに英語で話しかけてみて、アメリカ人かどうか確かめることもできたと思います。
でも、当時の僕にはまだ、そんな力はありませんでした。
ただ僕は、黒人ショップから感じる海外の雰囲気を楽しみたくて、何度も足を運んで日本語で会話していました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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