【上達しているのに「自分の英語は全然成長していない」と感じる理由】

from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)

英語学習を長く続けていると、実際には前よりできるようになっているのに、

「なんか全然成長していない気がする。」

と感じる時があります。

僕自身、英語を20年以上続けていますが、今でもあります。

昔は分からなかった英語が聞き取れるようになっているし、話せることも増えている。

英検1級を取ったり、TOEICで975点を取ったり、昔の自分から見ればかなり英語力は上がっているはずです。

それでも、自分の英語に対して、

「まだまだだなぁ。」

と思うことは普通にあります。

これって、ちょっと不思議ですよね。

でも最近は、英語が上達していないからそう感じるとは限らないと思っています。

むしろ、上達しているからこそ「できていない部分」が前よりよく見えるようになっている可能性があります。

英語が分からなかった頃は「分からないこと」も分からなかった

僕が英語学習を始めたばかりの頃は、そもそも自分が何を分かっていないのかも、よく分かっていませんでした。

英語を聞いても、

「速くて聞き取れない。」

ぐらいの感覚です。

なぜ聞き取れないのかまでは分かりません。

知らない単語があるのか、知っている単語なのに音がつながって聞こえているのか、文法的に理解できていないのか。

そういう細かい違いが見えていないので、全部まとめて「英語が聞き取れない」になります。

ところが、英語力が上がってくると、だんだん見えるものが増えてきます。

「あ、今のは単語は全部知っていたのに音が取れなかった。」

「意味は分かったけど、この言い回しは自分では出てこないな。」

みたいなことに気づくようになります。

以前なら気づかなかった「できないこと」が見えるようになるわけです。

「できない」に対する解像感が上がっている感覚です。

これは一見すると、自分のできなさをたくさん発見しているだけに感じます。

でも、それに気づけるようになったこと自体が、以前との違いでもあります。

上達すると比較する相手も変わってくる

もう1つあると思うのが、自分の中の基準がどんどん上がっていくことです。

英語を始めた頃なら、外国人に英語で話しかけて、なんとか意味が通じただけでも、

「おお、英語が通じた!」

とかなりうれしかったりします。

オンライン英会話で25分間話せただけでも、「けっこう話せたな」と感じるかもしれません。

ところが、それが普通にできるようになると、それだけでは満足できなくなります。

「もっと自然な言い方ができたはず。」

「さっきの質問に、もう少し気の利いた返しができたんじゃないか。」

と、見るところが変わってきます。

昔の自分と比べれば明らかにできるようになっているのに、今の自分はもっと上を見ている。

そうなると、上達している実感が薄くなるのも自然な気がします。

僕も英検1級を取る前と取った後で、急に英語が何でも分かるようになったわけではありません。

むしろ英語に触れる量が増えるほど、

「こんな表現も知らなかった。」

「ネイティブ同士のこの会話、まだ聞き取れないな。」

と思う場面は増えました。

英語ができるようになればなるほど、自分が知らない英語にも出会いやすくなるんですよね。

できるようになったことはすぐに「普通」になる

もう1つ厄介なのが、人間はできるようになったことにすぐ慣れることです。

以前はかなり苦労していたことでも、できるようになると、それが自分の中の「普通」になります。

たとえば以前は、英語の記事を読むのに何度も辞書を引いていた。

それが今では、ある程度そのまま読めるようになった。

本来ならかなり大きな変化です。

でも、毎日その状態で過ごしている本人には、それほど大きな変化には感じられません。

昨日の自分と今日の自分では、ほとんど差がないからです。

英語学習の上達は、毎日少しずつ起きることが多いので、余計に気づきにくいです。

僕自身も、昔使っていた教材や、自分が過去に話していた英語などを久しぶりに見ると、

「あれ、昔はこれが難しかったんだ。」

と驚くことがあります。

DUO3.0の英文を初めて見た時に、ものすごく難しく、高いハードルに感じられた頃の「うろたえる気持ち」や「挫折感」は、今でもすぐ思い出せるぐらい、心に残っています。

でも、DUO3.0の英文を今読んでも、もう「難しという感覚」は脳で感じません。

普段は現在の自分しか見ていないので、変化が見えなくなっているだけだったりします。

「今できないこと」だけで成長を判断しない

英語を勉強していると、どうしても「できなかったこと」の方が気になります。

オンライン英会話で言いたかったことが言えなかった。

映画を字幕なしで見たら、かなり聞き取れなかった。

覚えたはずの単語が出てこなかった。

こういうことは記憶に残りやすいです。

一方で、半年前には時間がかかっていた英文を普通に読めたとか、以前なら聞き返していた表現が一発で聞き取れたとか、そういう小さな変化は意外とスルーしてしまいます。

僕は英語の上達を考える時、昨日や今日だけを見るより、少し長い期間で比べた方がいいと思っています。

3ヶ月前、半年ほど前、1年前。

その頃に使っていた教材をもう一度やってみたり、以前苦戦した英語を聞いてみたりすると、自分でも気づいていなかった変化が見えることがあります。

毎日英語を続けていると、成長している最中の自分を毎日見ているので、その変化にはなかなか気づけません。

「全然成長していないなぁ。」

と思った時は、本当に成長していないのか。

それとも、以前より見える範囲が広がって、自分に求めるレベルも上がっただけなのか。

ここはちょっと分けて考えてみてもいい気がします。

僕も今の自分の英語だけを見れば、できないことはまだ山ほどあります。

たぶん、この先もなくならないと思います。

でも20年前の自分と比べたら、さすがに同じではありません。

普段は、そのことを忘れているだけなんですよね。

あなたもぜひ、3ヶ月前、半年前、1年前に使っていたテキストの英文を、定期的に読んだり聞いたりする習慣をつけてみてください。

きっと、自分でも意外なほどの成長に気付けるはずです。

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