From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕自身の英語学習体験談&英語を教える体験談のつづきです。
僕がパブで声をかけて話し始めた外国人は、40代後半~50代前半ぐらいの白人のビジネスマンで、いかにも「仕事ができる男」風の顔つきでした。
欧米文化の自己紹介は、「What do you do?(お仕事は何をしているんですか?)」から入ることが多いです。
ちょっと自己紹介し合ったところ、彼はアメリカの医療機器メーカーの営業マンだということが判明しました。
いつも世界中を飛び回っているらしく、1ヶ月の間に飛行機の中にいる時間の方が長い、と言っていました。
ということは、「純ネイティブ」です。
「純ネイティブ」というのは、勝手に僕の中でそう呼んでいる用語なのですが、「日本に長くいるネイティブ」「日本で英語を教える仕事をしているネイティブ」ではない人のことを指します。
日本に長く住んでいるネイティブや、日本で英語を教えることを仕事にしているネイティブは、「日本人独特の発音のクセ」や、「日本人がやりがちな文法ミス」をよく知っています。
なので、こちらがかなりクセのある英語を話しても、ちゃんと意をくみ取って理解してくれます。
でも、そうではない「純ネイティブ」の人と話す時は、まったく同じ文章をまったく同じ発音で話しても、ぜんぜん通じなかったり、大きな声で「ハァ~?」と聞き返されたりします。
なので、僕の中では「純ネイティブ」と普通に会話できるようになるのが、ひとつの目標でした。
わかる!通じる!!快感!!
そして僕は今回、初対面の純ネイティブとの会話を通して、改めて英会話の楽しさを実感しました!
相手の言っていることは9割分かります。
残りの1割は、聞き返したり、「それって、こういうことですか?」と確認したりすることで、理解できます。
僕のしゃべっていることも、すべて理解してもらえているようです。一度も聞き返されることはありません。
この、スムーズに会話のキャッチボールができる感覚は、とても気持ちの良いものでした。
英語ペラペラの感覚
僕は、彼と仕事やプライベートのことについて1時間ぐらい話していました。話題が盛り上がったせいで、僕らはほとんどノンストップで話し続けていました。
1時間ぐらい経ってから会話が一段落ついたタイミングで、彼のビールのグラスは空になっていました。
彼はもう一杯のビールを注文するために、テーブル席から立ち上がって、後ろの方のカウンターに並びました。
(このパブは欧米スタイルなので、お客さんが自分でカウンターに行って注文して、その場で毎回お金を払うシステムです)
僕がひとりになったタイミングで、隣のテーブル席にいた日本人男性が僕に話しかけてきました。
男性:「ちょっと横で聞いてたんですけど、すっごいペラペラですね!」
僕:「え?そうですか?そんなことありませんよ。」
男性:「いやいや!あれをペラペラと言わなかったら、何をペラペラと呼べばいいんですか!本当にスゴいです!!」
僕:「あ、ありがとうございます!」
思わぬ褒め言葉をもらって、僕は嬉しくなりました。
男性:「僕も英語が上達したいと思って、ちょっと前からここに通っているんですけど、なかなか思うように上達しなくて・・・」
僕:「そうなんですね。分かります!僕も最初の1年間はそんな感じでくすぶっていたんで。僕も前はここの常連だったんですよ。」
男性:「え?そうなんですか!その頃はあまりしゃべれなかったんですか?」
僕:「そうです。まったくでした。外国人の友達は増えても、英語力自体はあまり変わりませんでした。」
男性:「えー??そうなんですね!!じゃあ、僕もここに通うだけじゃあ、なかなか難しいですね。でも、どうして今ほどしゃべれるようになったんですか?海外に住んだとか?」
僕:「実は、海外経験は3ヶ月間だけなんです。ほとんどの英語力は、日本で身につけました。」
男性:「えーーーーーー!!そうなんですか!何てこった!!日本でも英語はペラペラになれるんですね!」
僕:「はい、なれますよ。」
男性:「どうやったのか?気になるところですが、もっと気になることがあります。」
僕:「はい、何ですか?」
男性:「ペラペラになった今、どんな気分ですか?見える世界が変わりましたか?」
おぉ!!こんな質問が来るとは・・・
僕はしばらく考えてながら自分の今の気分を見つめました。
確かに、僕の世界は大きく変わりました。
でもそれは、あの頃に想像していたイメージとは少し違います。
「英語がしゃべれるようになって急に世界が変わる」
というよりも、
「英語がしゃべれるようになる過程で、少しずつ自分の考え方や人間関係が変わっていき、気づいたら以前とは違う場所に来ていた」
という感覚です。
僕は改めて、自分が「英語を話せるようになりたい!」と初めて感じた日のことを思い返しました。
・・・つづく。
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