From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、
「ネットで文法や英単語の意味を調べる場合の注意点」として、
・気になった記事をいくつか読み、もし違う意見が書かれている場合は、「自分にとってしっくり来る考え方」を選ぶ。
ということをお伝えしました。
この「自分にとってしっくり来る考え方を選ぶ」というのがポイントです。
ネット上では、1つのことに対して違う視点を発信している人が多いです。(これは英語に限らずだと思いますが)
よく読むとどちらも理解に役立つことが多いのですが、言っていること自体は正反対だったりします。
たとえば例として、テキストの中であなたがこんな英文に遭遇したとします。
I am going to play tennis this weekend.
(私は今週末、テニスをプレイします)
これを見てあななたが「この英文って、どこが動詞なの?」と疑問に思ったとします。
そんな時、ネットで検索します。
すると、こんな記事が出てきました。
【Aさんの記事の主張】
be going to は、助動詞である。
その証拠に、be going to の後ろには常に動詞の原形が来る。
I am going to play tennis ~の文章の中では、動詞はplayで、その前の助動詞はbe going to になる。
【Bさんの主張】
be going to は、助動詞ではない。
助動詞は本来、「話し手の気持ちを表すもの」だから、気持ちを表さないbe going to は、助動詞には入らない。
be going to ~は、「~に向かっている途中」という訳し方が良い。
だから、この文章の動詞はgoingで、「向かっている先=テニスをplayすること」と考えるのが正しい。
と書いてあったとします。
こういう、一見反対のことを言っているような記事に出会った時に「どっちが正しいか?」を考え始めてしまうと、泥沼にハマッてしまいます。
正直、be going to~を助動詞と考えても、動詞と考えても、どっちでもいいのです。
自分が会話で使えるようになりさえすれば、理論的な正しさにこだわる必要はありません。
調べる目的
僕ら英語学習者がネットで英単語や英文法を調べる目的は、
「自分が英語を会話の中で使えるようになりたいから」
です。
もしあなたが「文法学者」や「大学教授」になりたいのだったら、英語の歴史や成り立ちなどをベースに徹底調査して「理論の正しさ」にこだわることが大事でしょう。
でも、多くの英語学習者にとっては、「どっちが正しいか?」よりも「どっちが自分にとって覚えやすいか?」でネット記事の情報を選んだ方が良いと思います。
・やたら文法に詳しいけど、いざ英会話となるとさっぱり状態
・文法知識は会話に必要最低限レベルだけど、英会話の中で文型をしっかり使いこなせる状態
どちらがあなたのなりたい状態でしょうか?
もちろん中には、
・文法学者レベルの深い知識を持ちながら、英会話もペラペラ
という猛者もいるでしょう。でも、そういう人は少数派です。
英語学習にかなりの時間と労力を注ぐ生活を長い年月続けた結果、至る境地だと思います。
誰もがそんな猛者になれるわけではありません。
それに、「なんとしても猛者になりたい!そのためには時間と労力を惜しまない!」と思っている人の割合はそんなに多くない気がします。
「とりあえずムズカしいことは置いといて、できるだけ最短で英語を使えるようになりたい」というのが多数派だと思います。
そのためには、「いかに捨てるか?」が大事になってきます。
ネット検索のやり方具体例
僕の場合は、文法を「ルールの丸暗記」よりも「ネイティブのイメージ」で覚えるのが好きなタイプです。
そのため、自分が調べる時にも必ずイメージで調べます。
具体的なやり方を解説します。
たとえば、テキストの例文を読んでいて「as long as」という言い回しがあったとします。
日本語訳を見ると、「~さえすれば」と書いてあります。
なぜ、こういう意味になるんだろう?
と思ったら、ネットでこんな検索ワードを入れて調べます。
↓↓↓
「as long as イメージ」
これで良い記事がヒットしなかった場合は、
「as long as 使い方」
「as loing as なぜ」
と打ってから検索すると、また別の記事が出てきて問題解決することがあります。
Q&Aサイトで解決
それでも出てこない場合は、「教えてグー」や「ヤフー知恵袋」などのQ&Aサイトを活用すると良いです。
「○○のテキストを読んでいて、○○という例文が出てきたのですが、どういう構文か理解できません。分かる方がいれば、教えてください。」
という感じで打てば、同じテキストを読んだ上級者の方が教えてくれます。
もちろん、回答してくれる人達全員が教えるプロではないので、解説の分かりやすさは人それぞれです。
2人の回答者が正反対の意見を言う場合もあります。
そういう点では、どの回答を採用するか?を自分で選ぶ必要があります。
正論バトルに注意
こういった質問サイトでは、よく意見の違う人同士がバトルしていることがあります。
「この文法はこの考え方が正しい!」
「いや、あなたは間違っている!正しいのはこの考え方だ!」
みたいな感じで激しい議論が繰り広げられます。
このバトルに巻き込まれてしまうと、肝心の英語学習に使う時間と労力がそがれてしまいます。
こういったバトル文章を見かけたら、できるだけ入り込まずに、
「自分にとってはどっちがしっくり来るだろうか?」
「自分の英会話に活かすためには、どっちの方が手っ取り早いか?」
を考えるのがオススメです。
僕はいつもネット記事を読む時には「正しさ」よりも、「自分にとっての効率の良さ」を常に優先順位に置くようにしています。
「今調べていることを、実際に会話で使える状態になるための最短ルートはどれか?」
を自問自答しながら、情報を選び取っていく感じです。
以上が、「分からない部分の調べ方」になります。
ネットの長所と短所、両方を知った上でうまく使いこなしていくことが、英語学習の効率を高めるコツだと思います。
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