From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が英語学習を始める前に、初めて外国人と英語で話した時のエピソードの続きです。
生まれて初めての外国人のお客さんとの会話がボロボロでくやしい思いをした僕は、
「次回また彼らがお店に来た時には、今度こそちゃんと話したい!リベンジマッチをしたい!」と思いました。
でも、こういう一時的な体験で燃え上がったモチベーションは、長くは続かないものです。
翌日になると、昨日の出来事がまるで夢だったかのような気分になりました。
遠い過去記憶と同じような感覚になってしまったのです。
それに、英語を話せるようになりたい!と思ったところで、具体的に今から何をすればいいのか?まったく分かりませんでした。
それに僕はこの頃、「英語=お勉強」だと思っていました。僕は昔から「勉強」が嫌いでした。スポーツもからっきしダメだったので、学校で活躍できる要素は何ひとつありませんでした。
そんな僕に、「次回はいつ来るか分からない米軍兵士のお客さんに備えて、ゼロから英語を勉強し直す」ほどの意気込みなんて、ありません。
すぐにまた、元の生活に戻ってしまいました。
しばらく日本人のお客さんだけを相手にする平穏な日々が続きました。
ところが、その数ヶ月後、またもやお店全体が震えるほどの数の米軍兵士たちがやって来たのです!
またもや店内がアメリカ色に!!
今回は、前回よりさらに多い人数の外国人のお客さんがやってきました!
最初に10人ぐらいのグループが入ってきました。
次に、また10人ぐらいのグループが入ってきました。
さらにまた、10人ぐらいのグループが入ってきました。トータル30人ぐらいはいます。
彼らはなぜか、他のお客さんがいない時間帯に入ってきます。
またもや、店内がハリウッド映画のような非日常的な空間になりました。(少なくとも、僕の目にはそう映りました)
このグループの中に、前回来た人たちが含まれているのか?僕には分かりません。
この時の僕の目には、外国人の顔はすべて同じに見えました。
鼻歌がカッコいい
今回は、前回以上にすごく陽気な人たちで、鼻歌を歌っている人が何人かいます。
僕らのお店は「アメカジ」をウリにしているので、店内のBGMはもちろん洋楽です。
外国人のお客さんのうち何人かは、そのBGMに合わせて、元気よく歌っています。
当たり前ですが、英語が上手です。また、恥ずかしがらずに大きな声を出すので、歌もうまく聞こえてしまいます。(本当にうまいのかもしれませんが)
なんだかカッコいいなぁ・・・
そんなことを思いながら、僕はまたもや体験できた非日常体験にウキウキしてきました。
またもや声をかけられる
ふと店長を見ると、顔が引きつっています。
そして、レジから逃げるようにいなくなってしまいました。
結局、僕とパートのスタッフさんと2人でレジカウンター周りをウロウロして待つしかありませんでした。
そして・・・今回もやっぱり、声をかけられました!
もちろん、完全な英語オンリーです。(おそらく、米軍兵士の仕事をしながら赴任先の現地の言葉を覚える人はまれだと思います)
今度は、僕と同じぐらいの身長の、小柄な黒人のお客さんが超早口で話しかけてきました。
相手:「○△□×?」
(ぬぬっ!ひとつも聞き取れない・・・)
僕:「・・・・・・はい?」
相手:「○△□×?」
僕:「う~ん、分かりません・・・」
とりあえず、日本語で答えてみました。
が、相手はお構いなしにまた話しかけてきます。
相手:「○△□×?」
さっきと同じセリフを言っているのか?それとも違うセリフに言い換えているのか?すらも、僕には分かりません。
ただ、なんとなく「この商品の在庫はあるのか?」と聞かれているような気がします。
相手:「○△□×?」
こんどは相手が大げさなジェスチャーを交えてきました。そのジェスチャーから、僕は相手のメッセージが分かりました。
(あ!そうか!これより大きなサイズはあるのか?と聞いているんだな!)
そして僕は、大きな声で言いました。
「NO!」
すると、相手は驚いたような表情をした後、笑顔に戻って、「Thank you!」と言ってきました。
そこで僕は、今度こそ!と思い、大きな声で「Thank you!」と言いました。
すると、相手は一瞬、「ん?なんだ?」という疑問の表情をした後、すぐ笑顔に戻って僕のもとを去っていきました。
今思い返せば、ここでは僕は「You’re welcome.(どういたしまして)」と言うべきでした。ここで僕が「Thank you!」と言うのは変です。
でも、この頃の僕は、そんなことすら知りませんでした。
とりあえず外国人と英語で言葉を交わしたぞ!
という気持ちだけが残りました。かなり満足でした。
お会計
その後、その30人のグループのうち何人かが、Tシャツやジーンズを手に持って、レジカウンターにやって来ました。
僕は、またドキドキしながらお会計を始めました。
・・・つづく。
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