From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、
①TOEIC950点以上の実力が付くまでは、リスニング用のトレーニング(聞き流し)をする必要はない。
②英語→日本語訳の順番で音声が流れる聞き流し系CDは、「フレーズ丸暗記型」なので効果が薄い。
この2点をお伝えしました。
聞き流しトレーニングが効果を発揮するのは、
①聞いている内容が文法的に理解できる状態。
②話されている英単語の8割以上は聞いた瞬間に意味が分かる状態。
の2つの条件が揃った時だけです。
リスニング力は音読トレーニングで伸びる
リスニング力は、基本的には音読トレーニングを続けていくだけで自然に伸びていきます。
音読トレーニングは、自分の中にある「英語ストック」の上限を伸ばしていきます。
英語のストックの中身は、
①文法力
②発音スキル
③英単語力
の3つです。
特に、②の発音スキルが上がると、聞き取れる率がグッとアップします。
自分で正しく発音できる英単語は、正しく聞き取ることができるからです。
リスニングが伸びやすい人 VS 伸びにくい人
「リスニングが伸びている」という感覚には、個人差があります。
僕がこれまでに見てきた600人以上の音読トレーニング実践者の中で、リスニングの伸びを実感しやすい人と、実感しにくい人がいます。
音読トレーニングを始めてから数ヶ月で、
「リスニングが急に伸びてきた感じがします!最近、映画を見てセリフが部分的に聞き取れた時には感動しました!」
と報告してきてくれる方もいます。
一方で、音読トレーニングを始めて1年以上経っていても、
「リスニングに関してはあまり伸びを感じていません。他の部分は伸びているのを感じるのですが・・・まだ初見の英文が聞き取れないことが多いです。」
と言う方もいます。
この違いはどこにあるのか?
ちなみに、「聞き取れるようになった!」と言う人が、「まだ聞き取れない・・・」と言う人の倍の量を音読しているわけではありません。
両者ともに同じ時期に音読トレーニングを始めて、まったく同じ内容の英文を同じぐらいの回数音読しています。
でも、「リスニングの伸び率の実感値」に大きな差があるのです。
僕がこの極端な両者のタイプの方々に色々と質問をしながらリサーチした結果、その理由は大きく2つあることを発見しました。
理由①ストックの量
まず一つ目の理由は、英語ストックの量です。先ほどもお伝えした通り、音読トレーニングで伸ばせるのは、
①文法力
②発音スキル
③英単語力
の3つがメインです。このうち、最も時間がかかるのは③英単語力で、次が①文法力、そして②発音スキルが最も早く伸ばせます。
リスニングの伸びを実感しやすい人は、①と②の英語ストックがすでに一定レベル身に付いている人です。
「大学受験の時には英語を頑張った経験がある」という場合、潜在的な英語ストックが脳内に眠っています。
音読トレーニングを始めることで、眠っていた英語ストックが呼び起こされて、一気に開花するのです。
正しい発音スキルを学ぶことで、「すでに脳内に入っている英語ストック」と「ネイティブのリアルな発音」が結びつきます。
それにより、本人が「リスニングが伸びた!」と実感しやすくなります。
さらに発音スキルは3種類の英語ストックの中で最も早く上達するジャンルなので、短期間で伸びを実感しやすいのです。
僕の経験上では、「大学受験で英語を頑張った経験のある20代半ば~30台半ばぐらいの方」が最も早くリスニングの伸びを感じやすい傾向があります。
大学以降はまったく英語に触れていなかったとしても、20代~30代のうちはまだ英語ストックが脳内に残っているので、短期間で開花しやすいようです。
一方で、僕のように高卒で大学受験を経験していなかったり、英語がキラいで他の教科でカバーしてきた方の場合は、潜在的な英語ストックは少ないのでリスニングが短期間で伸びることはほとんどありません。
次回は、「リスニングの伸びの実感値が違う理由」の2つ目をお伝えします。
・・・つづく。
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