【僕が「習い事」に感じた夢と希望33~演技編30】

From  師範代Shinya(新村真也)

(→前回のつづき)

※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。

3ヶ月間の日本舞踊の実技レッスンは、思ったより楽しく感じました。当時20才だった僕の目から見ても、日本舞踊の動きはけっこうカッコいいのです!!

スクールの目的としては、「日本舞踊を本格的に学んでほしい」というよりも、「日本舞踊の中にあるエッセンスを演技に活かしてほしい」ということで、カリキュラムに入れられているようでした。

たしかに、日本舞踊独特の、「身体をゆっくり動かしてタメておいてから、いきなり素早く動いてポーズを決める」という動きは、自信のあるキャラを演じる時にも役立ちそうでした。

後日談ですが、この約10年後、英語を学んでカナダに3ヶ月間留学した31才時に、日本舞踊をちょこっとだけ披露したら、めちゃくちゃウケました。

ホームステイ先のホストファミリーへのプレゼントは、百均で買った扇子だったので、

「日本には扇子を使った踊りがあるんですよ。」

と言ったら、

「ぜひ見たい!」

と言われたので、おぼろげながら覚えていた中途半端な日舞の動きを披露しました。

そしたら、予想以上に喜ばれました。たしかに、その国独特のダンスを目の前で見るのは楽しいものです。

たとえば、ウクライナ出身の友達ができて、

「我が国の伝統ダンス、コサックダンスを見たいですか?」

と言われたら、僕は、

「絶対見たい!」

と言います。そして、目の前でコサックダンスを見たら、それが上手か下手かなんて分からないまま、

「本物のウクライナ人のリアル生コサックダンスを見たぜ~!!」

と日本人の友達に自慢したくなります。

おそらく、僕がカナダで中途半端な「うろ覚え日本舞踊」を披露した時も、ホストファミリーはこんな気分だったに違いありません。

僕はこの時、

「学んだことが、いつどこで役立つか、分からないもんだなぁ・・・」

と思いました。

次のクラスは「パントマイム」

日本舞踊を学んで3ヶ月後、実技クラスの内容が変わりました。

なんと、「パントマイム」を学ぶことになったのです。

そうです!「ひと言も話さずに動きだけで目の前にカベや重いモノがあるように見せる」あのパントマイムです。

実はこのパントマイムも、8年後に英語学習を始めた時にすごく役立ちました。

どう役立ったか?は、この後のストーリーの中でお伝えします。

変わり者の先生

いよいよ、初日のパントマイムレッスンが始まりました。

教室内に入ってきたパントマイムの先生は、独特の雰囲気を持っていました。

もともとこのタレントスクールの講師陣は個性が強くて、変わった風貌の人たちが多いのですが、パントマイムの先生が一番個性的で印象的でした。

先生は、小柄で細身の体型の男性でした。年齢はおそらく30代半ば~後半ぐらい。

とがったアゴと細い目が、ミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

髪型は、黒髪のロングヘアーをポニーテールにして束ねています。

服装は、身体にピタッとフィットするテカテカした光沢のあるタイツみたいのをはいていました。

上も黒いピタピタサイズのTシャツを着ているので、身体のラインがものすごく分かる感じです。

昔とんねるずの番組でやっていた、「もじもじ君」みたいな衣装です。

身のこなしが軽やかで、足音をいっさい立てずに教室に入ってきました。

現代の忍者

先生の全体的な雰囲気をひと言で表すと、「忍者」です。

ものすごく素早く動けそうなので、広い場所なら大男と戦っても勝てそうです。

つかまらずに翻弄させて相手のスタミナ切れを狙い、指1本触れられないまま、弱った相手の急所を突いて一撃で倒す・・・

そんな絵が、僕の頭の中に浮かびました。

パントマイムの先生は、僕のタレントスクール通学生活3年間の中で、「記憶に焼き付いた先生トップ3」になりました。

・・・つづく。

 

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