From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
飛行機を降りると、そこには別世界が広がりました。
ここは、カナダのバンクーバー空港。
成田からの飛行機の中には、日本人はたくさんいました。でも、ひとたび空港内へ降り立つと、みんなバラバラに散っていき、たくさんいる人たちと混じって、もう誰が日本人か分かりません。
見渡す限り、外国人!!外国人!!(当たり前ですが)
それまで一歩も日本の外へ出たことの無かった僕は、この景色を見て、「自分が海外へ来た」ことを強く感じました。
「ついに!俺は日本から出たのだ!人生初の海外だ!!」
ワクワクする気持ちと、不安が入り交じった感覚です。ここに、自分のことを知る人は、ひとりもいない・・・この国の人々にとって、僕は完全な「訪問者」であり、「外国人」です。
もし仮に、僕が日本では「名の売れた芸人」だったとしても、この国では誰も気にも止めないでしょう。
なんとなく、芸能人が休みに海外へ行きたがる気持ちが分かった気がしました。
最初の関門
飛行機を降りた僕が最初にクリアすべき関門は、「税関」です。飛行機の中で書いた書類(自分の住所とか国籍とかの情報)を持って、パスポートと一緒に渡しながら、質問に答えなければなりません。
日本にいるときに、英会話スクールのレッスンで、こんな練習をしました。
税関:「What’s the purpose of your visit?」
(何の目的で来たんですか?)
観光客:「Sight seeing!」
(観光です)
とか、
留学生:「To study.」
(留学です)
とか。
そういう「お決まりのセリフ」を練習したので、それを使えばまあ切り抜けられるだろう!と思っていました。
同じ英会話スクールに通っていたクラスメイトで、海外旅行をたくさん経験している先輩から聞いた話では、
「税関の人によっては、陽気なテンションであれこれプライベートなことも聞かれて、『Enjoy your stay! (楽しんでね!)』なんて言われることもあったよ!」
と聞いていたので、ノリノリのテンションで答えるための心の準備をしていました。
しかし・・・
超怖い税関
僕の並んでいた列の税関の係員は、めっちゃ怖そうでした!30代くらいの白人男性で、筋肉ムキムキです。
そして、髪型はGIカット!北斗の拳のファルコみたいです。(横を刈り上げて、上の短めに残した髪型。こんな感じ↓)
見るからに、「元軍人」ぽい風貌です!!
う・・・あいつはヤダな・・・よし!隣の女性係員の列に行こう!
と思いましたが、手前の方でみんなをそれぞれの列を振り分ける係りの人に、止められてしまいました。
「あなたはこっち!」という感じで、ビシっと誘導させられてしまったのです。あの「軍人」のいる列に・・・
もしここで、「隣の列に並びたいです!」なんて言ったら、怪しまれるかもしれません。ここは素直に従っておいた方が良さそうです。
しぶしぶ「軍人」の列に並びました。
そして、僕の番が来ました!
おそるおそる近づいていくと、その「軍人」と目が合いました。
僕は笑顔で、「Hello!」と言ってみましたが、彼は無愛想な表情で無言で僕のパスポートと書類を受け取り、チェックを始めました。
(う・・・なんか、ぜんぜん思ってたのと違う・・・ぜんぜんフレンドリーちゃうやんけ!!話が違うよ!!先輩!!)
そして、次の瞬間!その軍人はものすごい早口で、何かを「ボソッ!」と言いました。めっちゃ小さい声&発音が雑です。
ん?おかしいな?なんて言った?
日本で練習してきたセリフ(What’s the purpose of your visit?)ではなさそうです。
どんなに速くしゃべったとしても、こんなに短くは言えないはず!ここは笑顔でごまかしたくはない!英語学習者としてのプライドがある!
よし!もう一度聞いてみよう!
僕:「Excuse me?」
彼:「・・・ボソッ・・・」
僕:(え?もっとちゃんと発音してくれよ!ぜんぜん分からん!てか、明らかに、purpose=目的って単語を使ってないよな・・・まあ、いっか!きっと言い方が違うだけで、聞いてることは同じだろう!)
僕:「To study!」
彼:「・・・・・・ハ~・・・」
ぬぬ!!ため息をついたぞ!!大きなため息を!何だ?違うのか?俺は何を聞かれたのだ?
そして彼は無表情のまま、僕のパスポートを返し、そのまま次の人を呼びました。
とりあえず通れました。が!!納得いかん!!
結局、何を聞かれたの分からずに終わったじゃないか!!もうちょっとゆっくりしゃべるか、通じてないなら、もう一度くらい言ってくれよ!!あきらめないでくれよ~!!あ~なんか、消化不良だ・・・
自信喪失!
僕がカナダに降りたって一番最初に使った英語は、こうして撃沈したのでした。
でも、僕には落ち込んでいるヒマはありません!!この後、唯一の頼みの綱である、「ホストファミリー」が空港で僕を出迎えてくれることになっています。
僕は、この留学プログラムに申し込むとき、迷わず「ホームステイ」を選びました。その方が、滞在中に英語を話す機会が増えて、いいトレーニングになるし、現地人のライフスタイルを知ることができると聞いたからです。
でも、もしホストファミリーもあの税関の軍人兄ちゃんみたいな感じで、しゃべるのめっちゃ速い&無愛想だったら・・・どうしよう??
そんな不安がよぎってきました・・・
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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