From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がジーンズショップで働いていた頃、初めて英語のテキストを買って英会話を経験した時のエピソードの続きです。
1人目と2人目の白人男性のお客さん相手にバッチリ英語が通じた手応えを感じた僕は、わずか数分間の間に自信を取り戻しました。
そのままのリズムと勢いで、3人目、4人目、5人目のお客さんたちを相手にしていきました。
僕に対するリアクションは人それぞれでした。笑顔で「Thank you!」と言ってくれる人もいれば、あまり愛想の良くない人もいました。
そのあたりは、日本人のお客さんと変わりません。僕はそれまでは、「アメリカ人はノリが良い」みたいなイメージを勝手に抱いていました。
でも、レジでまったく同じセリフを英語で言っても、返ってくるリアクションは人それぞれです。
「アメリカ人だからといって、みんながみんなノリが良くて笑顔で親切ってわけではない」
と、この時に実感しました。(今考えたら当たり前ですが)
夢のようなワクワク感
米軍兵士のお客さん軍団は、あっという間に去って行きました。トータル滞在時間は15分ぐらいだったと思います。
でも、僕にとってはかなり長く感じました。そして、最後のレジ打ちは、夢のようにワクワクする時間でした。
米軍のお客さんたちが帰ったあと、店の中は何事もなかったかのように静かになりました。
まるで、さっきまでの出来事が、夢のように感じられます。
しばらくボーッと入り口を見つめていた僕は、はっ!と我に返りました。
僕の隣で袋詰め作業を手伝ってくれていた大学生のアルバイト男子が、まだレジカウンターで僕の隣にいました。
「やべー!なんか、つたない英語を披露しちまった!!最初の方は緊張し過ぎて手も震えてたし、声も小さかったし、カッコ悪いところ見せちまったかなぁ~」
そう思いながら、僕は、おそるおそる彼の方を振り向きました。
大学生アルバイト男子のリアクション
すると、19才の彼は僕の方をじっと見ていました。表情からは、彼の感情を読み取れません。
もともと、あまり感情をオモテに出すタイプではないのですが、こんなにじっと見つめられたことはないので、この目線がどういう意味なのか、僕にはまったく分かりませんでした。
すると、彼が口を開きました。
彼:「新村さん!(←僕の苗字)」
僕:「ん?(ドキドキしながら)」
彼:「スゴいっすね!!」
僕:「え?(褒められてる??)」
彼:「いやーーー!!ビックリしました!新村さん、英語しゃべれるんですね!知らなかったなぁ~!」
僕:「う、うん、まあね。」
彼:「スゴいっす!カッコ良かったです!あんなにたくさんの外国人相手に、英語で対応できるなんて!」
僕:「いやぁ~、まあ、あれは接客英会話のフレーズブックを買ってきて、セリフを丸暗記しただけだからね。自分で文章を組み立ててフリートークするとかは、全然できないよ。」
彼:「いえいえ!あれだけしゃべれれば十分ですよ!あー!僕も英語ができるようになりたいっす!」
意外な高評価
僕は驚きました。大学生アルバイトの彼は、どちらかというとあまり「ノリが良くて人をおだてるタイプ」ではありません。
静かにマイペースで淡々と仕事をこなすタイプです。その彼が、興奮した様子で僕を褒めてくれたので、僕はすごく嬉しくなりました。
自分のなかでは、「緊張してカッコ悪いとこ見せちまった!」と思っていたのに、彼の目には「カッコいい」と映ったようです。
僕はこの時、
「見ている人にどう思われるか気にせずに、とりあえずチャレンジしてみると、自分的にボロボロだったとしても、見ている人から意外に高評価がもらえる」
ということに気付きました。
そして、「英会話って楽しいかも?!」と思うようになりました。
・・・つづく。
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