From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回は、オーバーラッピングの詳しいやり方について解説しました。
今日は、その次のステップになる「シャドーイング」についてお伝えします。
シャドーイングは、同時通訳の専門学校でも取り入れられている、歴史と実績のある科学的なトレーニング方法です。
効果があるのは間違いないのですが、シンプルなゆえに、正しいやり方でできていない人もよく見かけます。
やり方が間違っていては、せっかくの努力がもったいないです。
シャドーイングの目的
シャドーイングの目的は、オーバーラッピングと同じで、
「ネイティブの話すスピードとリズムを体得すること」
です。
なので、意識するポイントも、オーバーラッピングと同じく、
①英単語同士のつながり
②スピード&リズム
③イントネーション
の3つです。
ただし、シャドーイングはちょとやり方が違います。
シャドーイングのやり方
具体的なやり方は、オーバーらピングと似ています。
CDをかけっぱなしにして、自分の声を合わせていきます。
オーバーラッピングでは、同じタイミングで声出しをしていましたが、シャドーイングでは、少し遅れて声出しをします。
そして、シャドーイングをやる時には、テキストを見ません。
ここは大事なので、もう一度言いますね。
シャドーイングは、テキストを見ないでやります。
ここがミソです!
シャドーイングのポイントは、さっきお伝えした3つのポイント、
①英単語同士のつながり
②スピード&リズム
③イントネーション
を、「耳の力」だけを頼りに行うトレーニングです。
「英単語が聞こえたら、すぐに声に出す」
「次の英単語が聞こえたら、またすぐ声に出す」
という作業を繰り返すので、結果的にスピードは少し遅れ気味になります。
遅れすぎるとついていけなくなるし、焦って速くなりすぎると、聞こえなくなります。
「CDより、ちょっと遅れて付いていく」
この絶妙なタイミングをキープするのがポイントです。
やってみると分かりますが、耳だけに頼る分、オーバーラッピングよりもシャドーイングの方がずっと難しいです!
シャドーイングの落とし穴
シャドーイングの落とし穴は、ついつい「テキストを見ながらやってしまう」ことです。
テキストを見ないでやるのはツラいので、見たい誘惑に負けてしまいます。
でも、テキストを見ながらやると、脳が「文字依存」という状態を引き起こします。
「文字依存」というのは、脳が「目から入る文字情報」に頼るようになり、シャドーイング本来の目的である
「一字一句聞き漏らさない」
という能力を養うことができなくなるのです。
これでは、効果は半減します。
シャドーイングは、あくまで「見ないでやる」から効果があるのです。
あれ?何だっけ?
シャドーイングをやり始めると、オーバーラッピングの時には気づかなかったことに気づけるようになります。
「あれ?この英単語の発音、何だっけ?」
「今のゴチャゴチャッと言ってるあたり、何て書いてあったっけ?」
という感じで、疑問点がたくさん出てきます。
これが、「文字依存」から抜けてきた証拠です。
文字を目で追いながらシャドーイングをすると、脳が安心してしまい、この疑問が出てこないので、集中力が散漫になって、効果が減ってしまいます。
怪しい単語は見てもいい。けど・・・
かといって、分からない場所をあいまいにしたまま、適当に流しながらシャドーイングを何度も続けても、それはそれで学習効果が低くなります。
なので、僕のオススメは、
「テキストを見るシャドーイングと、見ないシャドーイングを交互にやる」
ことです。
こうすると、
1回目(見ない):あれ?あの単語なんだっけ?
2回目(見る):あ!そうか!そうだった!
3回目(見ない):あれ?今度はこの単語なんだっけ?
4回目(見る):あ!そうか!そうだった!
という感じで、テキストを見ながらやるときにも、脳が「疑問を解消しようとする」状態になるので、集中力がアップして文字依存が減ります。
なので、
「テキストを見るのはOK!でも、ずっとじゃなくて、必ず交互にやる」
ということを覚えておいてください。
スピードコントロール
ちなみに、シャドーイングをするときにも、CDの再生スピードをコントロールすることをオススメします。
やり方は、こちらの記事を参考にしてください。
次回は、次のステップ「音読」のやり方について見ていきましょう。
・・・つづく。
※シャドーイングのさらに詳しいやり方を、動画で1から学べるセミナーはこちら
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