From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダで一人旅していた頃の体験談です)
(→前回のつづき)
ルームメイトのダンが帰ってきたので、僕はその夜からはリビングで寝ることになりました。
リビングには、大きなソファーがあって、ベッドのように使えるので、とっても便利で快適です。
ジェフが僕に説明しました。
ジェフ:「もし寒かったら、もう一枚毛布が俺の部屋にあるから使って良いよ。今夜は俺の部屋のドアのカギを開けておくから。」
そう言って、僕を自分の部屋に案内しました。
ドアを開けると、仕事机とパソコンがある小さめの部屋が見えました。
小さめと言っても、この家の他の部屋と比べたら、という意味で、日本のアパートだったらリビングに匹敵する広さです。
机の横には、無造作に毛布が置かれていました。
ジェフ:「これね!まあ、最近はだいぶ暖かくなってきたから、必要ないとは思うけど、シンヤは日本から来たから、寒さに慣れてないかと思ってね。」
僕:「ありがとう!たしかに、最初にカナダに来たときには、寒さにビビったよ!」
ジェフ:「ははは!だろうね!」
その後、ジェフはメアリーとふたりで二階に上がっていきました。
それを見送った後、ダンが言いました。
ダン:「ジェフのベッドルームは、めちゃくちゃ広いんだぜ!メアリーと二人で寝ても、ぜんぜん余裕の広さだよ。
ところで、俺の部屋はどうだった?快適だっただろ?散らかってただろうけど(笑)」
僕:「うん、なかなか快適だったよ。なんか、こういう部屋は映画の中でしか見たことなかったから、新鮮だった。」
ダン:「おっ!そうかい?それは良かった!俺は映画の主人公か!(笑)」
ダンは、満足げな表情で二階の自分の部屋に上がっていきました。
ドアのカギ
ひとりで1階に残った僕は、ソファーに寝そべりながら、考えました。
そうかぁ!そう言えばそうだった!欧米の家には、部屋のひとつひとつにカギがかけられるようになってるんだったな!
そういえば、バンクーバーでホームステイしていた時にも、ジョンとフローレンスのベッドルームにはカギが付いてた。
きっと、欧米の人はカギがかけられる部屋に貴重品を置いてるんだろうな。
だから、自分がいない時に自宅に他人を入れても安心なのかもしれない。
なるほど!そういうことか!
よく、海外ドラマとかでも、親子げんかした後に子供が自分の部屋にカギをかけたままずっと出てこなくなって、親がドアをバンバン叩く・・・なんてシーンを見たことあるもんな!
セキュリティー
そう考えると、欧米の家の方が、日本の家よりセキュリティー面では上なのかも知れない。
泥棒の立場からすると、家の玄関のドアを破って中に入っても、手の届く場所には貴重品は何もないってことになる。
貴重品が置いてありそうな部屋を特定して、そこのドアのカギをまた破らなければならない。
そんなことしている間に、気づかれて通報されてしまうかもしれない。
そう考えると、日本の家は、泥棒に玄関を破られたらアウトだもんなぁ~。
まあ、でも犯罪の発生率が違うのか?
部屋のドアのカギは、危険であるがゆえに発達した防御策なのかも?!
そう考えると、部屋のドアにカギのない日本の方が安全な証拠だな・・・
そんなことを考えていたら、うとうとしてきました。
日曜日の観光
今日は早く寝た方が良さそうです。
明日は日曜で、ジェフもダンもメアリーもみんな仕事が休みなので、僕を遊びに連れて行ってくれると言っていました。
みんなでトロントの街を観光するのかな?
あの、目の前にそびえ立つCNタワーに登るのかな?
そんなことを考えていた僕の期待は、翌日、見事に裏切られることになりました。
・・・つづく。
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