From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダで一人旅していた頃の体験談です)
(→前回のつづき)
モントリオールに来る前に、僕がバンクーバーのホストファミリーやトロントのジェフたちから言われていたことがありました。それは、
「モントリオールに行ったら、絶対にプーチンを食べた方がいいよ!」
ということでした。
モントリオールの観光地の情報がまったくなかった僕ですが、「プーチンを食べる」というミッションだけは頭に叩き込まれていました。
プーチンって何?
プーチンというのは、
「フライドポテトにたっぷりのチーズとグレイビーソース(肉汁)をかけた食べ物」
です。
聞いただけでカロリーが高そうな気がしますね。
僕は、フライドポテトが大好きです。
チーズも大好きです。
肉は苦手ですが、ハンバーグやソーセージは大好きです。なので、肉汁もおそらく大丈夫だと思います。
海外の食べ物の中には、口に合わないものもありましたが、プーチンは、僕にとっても好物になりそうな予感がします。
そこで僕は、ここモントリオールでさっそくプーチンを食べてみることにしました。
ご当地グルメ
プーチンは、モントリオールのご当地グルメのようで、色んな所で屋台を見かけました。
僕は、ショッピングセンターのような大きな建物の中のフードコートにあるプーチン屋さんを見つけ、さっそく注文してみました。
思った通り、店員さんは、フランス語で話しかけてきました。
もう、恐れることはありません。
僕は堂々と、
「I don’t speak French!」
と宣言しました。
そして、人差し指を立てながら、
「1プーチン、プリーズ!」
と大きな声で言いました。
店員さんは、強いフランス語なまりの英語で、
「サイズはどれにしますか?MとLがありますが。」
みたいなことを聞いてきました。
前日のバスツアーでフランス語なまりの英語を話すガイドさんのトークを半日聞き続けたおかげで、だいぶリスニング力がアップしているのを実感します。
サイズがあるのか・・・
ここが日本だったら、間違いなく大盛りを頼むところだけど、ここは海外サイズだろうし、まあ、とりあえず一番小さいヤツにしとくか!
そう思い、Mサイズを注文しました。
メガ盛り!!
注文したプーチンを目の前に出された僕は、ビックリしました!
これがMサイズ??
そこには、大きな紙皿にテンコ盛りになったフライドポテトがありました。チーズも、これでもか!というくらい、かたまりのやつがゴロゴロ乗っかっています。
どう見ても、日本のXLサイズです!!
もし、Lサイズを頼んでいたら、どうなっていたのやら・・・
僕は、このプーチンをサイドメニューとして食べるつもりでしたが、このボリュームを見る限りでは、これだけでお腹いっぱいになりそうな予感がします。
激ウマ!!
僕は、フードコートの中でひとりで座りやすいカウンターを見つけると、さっそくプーチンをほおばりました。
口の中に、チーズとグレイビーソースの味がいっぱいに広がりました。
味は全体的に濃いめです。
うまい!!
これは予想以上のうまさです!
フライドポテトも、カリカリに揚げられていて、口当たりは最高です!!
僕は、バクバク食べていきました。
しばらくすると、30代くらいのスーツを着た白人女性が、僕とまったく同じサイズのプーチンを持って、僕の隣のカウンター席に座りました。
どうやら仕事の昼休みのようです。
デカ過ぎ!
プーチンの残りが半分くらいになったあたりから、だんだんお腹が苦しくなってきました。
ポテトが予想以上にボリュームがあり、また、チーズもものすごい量が惜しみなく盛られているので、お腹にたまってくるのです!
最初はおいしく感じていたポテトも、時間と共に冷めてきて、チーズの味にも飽きてきてしまいました。
ふと隣を見ると、さっきの白人女性のプーチンも半分くらいに減っています。
その女性は雑誌を見ながら、変わらぬペースでプーチンをパクパク食べています。
負けてられん!!
日本では「やせの大食い」と言われることが多かった僕が、ここへ来て女性に負けるわけにはいきません!
僕は、またペースを上げてプーチンを食べ始めました。
ギブアップ!
ところが、全体の8割くらい進んだところで、僕のお腹は限界を迎えました。
あまりにボリュームがあり過ぎて、ウプッてきました。もう一本も食べたくありません・・・
ふと隣を見ると、さっきの白人女性が最後の一本を口に運ぶところでした。
なにぃーーーー!!
女性はあっさりと最後の一本を平らげると、涼しい顔をして紙皿をゴミ箱に捨てて去って行きました。
最初に見たときは、
「これがMサイズ?間違いじゃないの?」
と思いましたが、今はこれが欧米サイズではMで、女性でもちょうどいい量なのだと分かりました。
僕は素直にギブアップして、残ったプーチンごとゴミ箱に捨てて帰りました。
・・・つづく。
後日談:日本でプーチンに再会
僕がカナダから帰ってきてから何年かたった頃、日本のマクドナルドの社長がカナダ人女性に変わりました。
そして、そのタイミングでマックが出してきた新商品が、「プーチン」に似ていました!
商品名は、プーチンとは言っていませんでしたが、フライドポテトに味の濃いチーズがかかっているのを見て、僕はモントリオールで隣り合った、「プーチンをモリモリ食べていた白人女性」を思い出しました。
もちろん、日本のマックのプーチンはちょうどいいサイズでした。
グレイビーソースもかかっていないし、チーズも塊で乗っかっているわけではなく、溶けたヤツがかかっているだけだったので、軽めでサイドメニューにちょうどいい感じでした。
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