From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と思って「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
スクールのレッスン後、僕は初めてスクール内にある事務所に寄ってみることにしました。
 
 
今まで存在自体は知っていましたが、自分から行こうとは思ったことはありませんでした。
 
 
でも、自分で自分を売り込まなければ、いつまでもデビューできずに何年間もレッスンに通い続ける古参メンバーのようになってしまいます。
 
 
僕はおそるおそる、事務所の前の廊下に近づきました。
 
その光景を見て、驚きました!!
 
 
ものすごい人の数です!!
 
 
特に子供たちとその母親たちの比率が一番多く、事務所の前に群がっています。
 
 
みんな自分の子供をマネージャーに売り込もうとしているのでしょうか?
 
 
でもよく見ると、ほとんどの母親たちはお互いに世間話をしているようでした。
 
 
なぜ、事務所の前で世間話をしているんだ?
 
 
 

なぜこんなにたくさんの人がいるのか?

しばらく観察していると、みんな窓口の順番待ちをしているらしい、ということが分かりました。
 
 
じゃあ、窓口で自分や自分の子供を売り込んでいるのか?
 
 
と思い、会話に耳を傾けてみました。
 
 
そしたら、こんな声が聞こえてきました。
 
 
母親:「○○でお願いします。」
 
 
事務所の人:「はい。じゃあ、○○君のクラスは来週からは水曜夜の○○に変更しておきますね。」
 
 
母親:「はい。よろしくお願いします。」
 
 
すべての会話が聞こえたわけではありませんが、どうやら自分の子供が通っているクラスのスケジュール変更をしているようでした。
 
 
それを見て、僕は思い出しました。
 
 
ヒゲ先生のクラスになったばかりの頃、厳し過ぎるレッスンに脱落者がゴロゴロ出ました。
 
 
その時に、脱落する人達に向かってヒゲ先生がこんなことを言っていました。
 
 
「今すぐ1階の事務所に行ってきなさい。来週からクラスを変えてもらえるから。」
 
 
と。
 
 
そして僕は今、しばらく窓口でのやりとりを見ていて気付きました。
 
 
このスクールの事務所の役割は単に芸能人のマネージャー業だけではないようです。
 
 
というか、ほとんどがクラス替えのような事務的な手続きをしているようでした。
 
 
そして、小学生ぐらいの男の子たちが事務所の人達に話しかけて、自分の持っている筆箱などのアイテムを自慢していました。(男の子なら誰もが一度はハマる、「ボタンを押すと消しゴムやらペンやらがバネ仕掛けで飛び出す」ギミック筆箱です)
 
 
それを見た事務所の人達は、
 
 
「おー!スゴいじゃん!カッコいい筆箱だねぇ~!」
 
 
などと言ってニコニコしていました。
 
 
別に誰も自分や自分の子供を売り込んでいる様子ではありませんでした。
 
 
事務所は単に「事務手続き」と「世間話」をしに来る人達が集まる場のようです。
 
 
僕は予想していた事務所のイメージと違うことに戸惑いました。
 
 
このムードの中で、いったいどうやって自分を売り込めばいいんだ?
 
 
でも、とりあえず僕は来週のレッスン後にもう一度事務所に来て、自分を売り込んでみることにしました。
 
 

自分がやりたいこと

僕は家に帰ると、自作映画のビデオをダビングしてコピーを作りました。(当時のビデオはVHSのカセットタイプでした)
 
 
この自作映画は、僕が弟と2人で作り始めて、途中から友人にも参加してもらって作り上げた渾身の作品です。
 
↓↓↓
 
 
※古いので画質が荒いです。
 
ジャッキー・チェン&ドニー・イェンのカンフーアクション映画をマネして作りました。
 
 
どうせマネするなら、中途半端なマネではなく徹底的にパクることにしました。
 
 
カット割りや撮影アングルなどを研究して、100%再現するつもりで作りました。
 
 
アクション俳優になったところで、いきなり主役をもらえるなんてことはありません。
 
 
最初は下積みからコツコツ始めていかなければならないでしょう。
 
 
それに、自分がやりたい格闘アクションのシーンが映画の中にあるとも限りません。
 
 
でも、自作映画の中なら、いきなり自分が主役で、自分がやりたい格闘アクションの動きを再現できます。
 
 
その視点で作ったのが、この自作映画のビデオでした。
 
僕はこれを事務所に提出して、フィードバックをもらうことにしました。
 
 
これまで内輪の中だけで楽しんできたものを、初めて外の人に見てもらうことにしたのです。
 
 
アクション俳優への道をほぼあきらめかけていた僕は、これを「最後の挑戦」にすることにしました。
 
 
・・・つづく。
 
 
 
 

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