【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編93】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
新しく始まったストリートダンスクラスのイッサ先生は、僕にとって初めて「ファッションもダンスも丸ごとマネしたい!」と思う、憧れの存在になりました。
 
 
毎週のレッスンでは、
 
 
・今日はイッサ先生がどんな服装で来るのか?
 
・今日はどんなBGMをかけるのか?
 
・今日はどんなダンスを教えてくれるのか?
 
 
が楽しみで仕方なくなりました。
 
 
イッサ先生の服装は毎回違っていて、毎回オシャレでカッコよく見えました。
 
 
芸能人がステージで着る派手な衣装とは違って、主張しすぎない色や形の服です。
 
 
派手ではないのですが、「普通じゃない雰囲気」も感じさせます。
 
 
自然体で力の抜けた、何とも言えないオシャレ感と非日常感が漂ってくる服装なのです。
 
 
僕の地元の静岡で、イッサ先生のような格好をして歩いている人は見たことはありません。
 
 
僕はレッスン後にイッサ先生に話しかけて、情報を聞き出してみました。
 
 
僕:「先生、いつもオシャレですよね!僕もそういう服が欲しいんですが、ふだんどこで服を買っているんですか?」
 
 
するとイッサ先生は、いつもの無表情&小さな声でボソッと答えました。
 
 
イッサ先生:「どこだったかな?どの服をどこで買ったのかは覚えてないんですけど、僕は原宿とか渋谷でよく服を見て回りますね。」
 
 
(イッサ先生は、僕ら受講生の誰に対しても敬語を使ってきました)
 
 
僕:「原宿と渋谷ですか!けっこう金額は高いんですか?」
 
 
イッサ先生:「そうですね・・・モノによっては高いかもしれませんけど、古着屋さんとかで買えば安くてオシャレな服が手に入りますよ。」
 
 
僕:「そうですか!ありがとうございます!!原宿と渋谷ですね!行ってみます!」
 
 

僕の興味の対象

僕はこれまで毎週末、静岡から東京に通う生活を1年間ぐらいしていましたが、原宿や渋谷といった「若者スポット」に行ったことは一度もありませんでした。
 
 
というのも、それまでファッションに興味がなく、東京に通う目的は「レッスンを受けること」だけでした。
 
「今の退屈な人生を変えるスキルを身につけたい!」
 
 
その一点で、この演技スクールに通い始めました。
 
 
僕は性格的に、1つのことにハマるとトコトンまで突き詰めるタイプです。
 
 
興味のあることには、時間とお金とエネルギーを惜しみなく投入します。
 
 
そして、ある程度自分の納得のいく成果が得られるまでコツコツ続けます。
 
 
でも、興味のないことには時間もお金もエネルギーも一切使いません。
 
 
僕は自分と同年代の20才前後の人達が一番興味を示す「ファッション&娯楽」にまったく興味がありませんでした。
 
 
大学に行っていなかったというのもあるかもしれません。
 
 
僕が高校卒業と同時に18才で働き始めた鉄工場では、僕と年の近い先輩たちも、あまりファッションにこだわっている人はいませんでした。
 
 
「あの人、オシャレだなぁ~」と感じる人を見たことがなかったのです。
 
 
僕は「オシャレなファッション」がいったいどんなものか分かりませんでした。
 
 
金額の相場もよく分かりません。僕が当時持っていた服は、高校時代にユニクロで買った安物の服ばかりでした。
 
 
しかも当時のユニクロは、今のように自社ブランド品を売るスタイルではありませんでした。
 
 
当時のユニクロは、大型スーパーの服売り場にあるような「安いけどパッとしない服」をメーカーから仕入れて売っている小売店でした。
 
 
僕が当時持っている服のほとんどは、そんな「イケてない頃のユニクロ」で買ったものでした。
 
 
当時の僕は、「もし服一着に5千円以上のお金を出すなら、ジャッキー・チェンの昔の映画でよく出てくるチャイナ服が欲しい」と思っていたぐらいです。
 
 
そんな僕にとっては、渋谷や原宿に行こうなんて考えたこともありませんでした。
 
 
それが今、イッサ先生というファッションの師匠を見つけて、一気に服に興味がわきました。
 
 
そして、初めて原宿&渋谷に繰り出す決心をしたのです。
 
 
・・・つづく。
 
 
 

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