From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
僕が最近「12年ぶりのリベンジ」として買った音読トレーニング用テキストのお話の続きです。
「セレブインタビューズ」のCDを12年前に聞いた時には、僕はまったく刃が立ちませんでした。
当時の英語力は、TOEIC換算で600点前後でした。
この頃には、速読速聴英単語Daily1500の付属CDぐらいなら、初見でも50%ぐらいは聞き取れるようになっていました。
その自信を持ってセレブインタビューズのCDを聞き始めたのですが、僕の耳にはまったく聞こえませんでした。
「え?これ、本当に英語なの??」
と思うほど、それまで僕が聞いてきた英語とは違って聞こえました。
本当に違うのです!
なんというか、全体のリズムも発音の雰囲気も、すべてが違います。
まるで違う言語のようなのです。
大げさではなく、本当に理解度ゼロでした・・・
これは当時の僕にとっては大ショックでした。
それまでの自信は粉々に打ち砕かれました。
台本を見てもかなり難しい
当時の僕にとっては、台本を見てもセリフは理解しづらいものが多くありました。
なので、音声に頼らず文字だけを目で追っても、理解度は20%ぐらいでした。
理由は、熟語やスラング、専門用語が連発していたことです。
熟語は、話し言葉でよく使われる、「基本動詞+前置詞」の組み合わせです。
たとえば、「postpone (延期する)」という単語を熟語で表すと、「put off」になります。
「participate(参加する)」という単語を熟語で表すと、「take part」になります。
日本人は、postpone や participate のような難しい単語は大学受験勉強で習うので知っていますが、put off や take part のような会話で使われる表現(熟語)には弱いです。
セレブインタビューズには、そういう熟語が連発します。
スラングは、日本語で言うところの「マジで」「ヤバい」「パクる」などの俗語です。
これは単語として知らないと、いくら文字で読んでも意味が分かりません。
専門用語は、映画業界や音楽業界で使われている用語です。
日本語で言えば、「銀幕のスター」とか、「いぶし銀の演技」とか、「往年の名優」みたいな言い回しが近いです。
熟語やスラング、専門用語のような、「読んでも分からないレベルの英文」を聞いて理解できるわけがありません。
当時の僕は、あまりの実力差にヘコみ、このテキストを押し入れの奥深くに封印しました。
12年ぶりのリベンジ
そして今、TOEIC975点、英検1級を合格する実力で挑む、「セレブインタビューズ」のCD。
果たして、どのぐらい聞き取れるようになっているのか?
ドキドキしながらCDプレーヤーのボタンを押しました。まずは、一人目のブリトニーズ・スピアーズからです。
・・・聞き取れない・・・
相変わらず、聞き取れません。トータル7~8分ぐらいの内容でしたが、聞き取れたのは、全体の50%ぐらいです。
12年前の20%に比べたら、まだ良い方です。
でも、今の自分の英語力はおそらく12年前の数倍になっている感覚があります。(実感値として)
なので、この結果にはちょっとヘコみました。
と同時に、この「ネイティブ英語のカベ」を乗り越えたら、また新しい世界が開ける気がしてきました。
「できないこと」がある喜び
もしあなたが現時点でTOEIC900点以上&英検1級を持っていたらきっと共感してもらえると思いますが、このレベルになると、だんだん市販の英語テキストの中で「聞けない英語」や「読めない英文」が減ってきます。
本屋さんに行って英語学習コーナーでテキストを開いても、どの本の英文も知らない英単語はほとんどないし(ゼロとは言いませんが)、文章の意味が取れないほど難しく感じるものは少ないです。
これはある意味、「ぬるま湯状態」です。
簡単すぎるTVゲームがすぐ飽きてしまうように、ある程度の手ごたえがないと、あまり面白みがありません。
でも、「英語テキスト」という範疇から一歩外へ出ると、とたんに野生の英語たちはキバを向いて襲いかかってきます。
肉を引きちぎられて、完全に打ちのめされる感覚です。
そのひとつが、今回のセレブインタビューズです。
でも、僕は「できないこと」があるのは、喜んでいいことだと思います。
まだ自分には「伸びしろがある」ということだからです。
今回のセレブインタビューズは2冊分買いました。この2冊を仕上げたら、どうなるか?
自分の耳は、「ネイティブのアドリブいい加減発音」に対して少しでも耐性ができるのか?
それを知るチャンスでもあります。
そんな期待を込めて、僕はブリトニーズ・スピアーズのインタビューの台本を音読し始めました。
・・・つづく。
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