From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が自分の関心を「自分の英語力アップ」から、「生徒さんの英語力アップ」に完全に移してからのストーリーのつづきです。
「会話力」は、3つの力で成り立っています。
①リスニング力
②作文の正確さ
③作文のスピード
です。
この3つのうち、今日は②の作文力について深掘りしていきます。
次の日本語文を読んでみてください。
①私、あげた、彼、プレゼント、くれた。
②私、行った、あさって、楽しい、ディズニー。
いかがでしょうか?
何を言おうとしているか、メッセージが伝わってきたでしょうか?
これは、文法をめちゃくちゃにした「ブロークン・ジャパニーズ」です。
①は、主語と動詞を混ぜでぐちゃぐちゃにしてみました。「誰が」「どうした」という、主語と動詞の関係があいまいになっているせいで、混乱しませんでしたか?
②は、時制を混ぜてみました。「行った」という過去形と、「あさって」という未来を表す言葉が混ざっていることで、混乱しませんでしたか?
そして、この2つの文章に共通するポイントとして、「日本語の文法で大事なパーツ」をそぎ落としてみました。
それは、「て、を、に、は」などの「つなぎの言葉」です。
「て、を、に、は」があれば、日本語は順番を入れ替えても意味が通じます。
私は、彼に、プレゼント。
プレゼント、彼に、私は。
プレゼント、私は、彼に。
全部意味が通じますよね?
でも、「は、に」を取り払ったらどうでしょう?
私、彼、プレゼント。
プレゼント、彼、私。
プレゼント、私、彼。
私と彼、どっちがプレゼントを渡して、どっちが受け取ったのか?とたんに分からなくなります。
英語には、この「て、に」がありません。
なので、「並べる順番で意味が決まる」というルールがあります。
英語の場合は、
私、彼、プレゼント
という順番で並べることで、
私が彼にプレゼントをあげた。
という意味になります。(実際にはgiveなどの動詞が入りますが)
順番を入れ替えて、
彼、私、プレゼント
という順番で並べることで、
彼が私にプレゼントをくれた。
という意味になります。
これだけ大事な「文章全体の意味」を決めるのが、文法(並べる順番)なのです。
相手にストレスを与えないために
英会話をするときに、文法を気にしないで適当に英単語を並べるだけでは、相手にストレスを与えてしまいます。
文法がめちゃくちゃだと、意味を常に予測しながら聞き続けなければならないからです。これは、聞く相手の脳にかなりの負担を与えます。
僕はこれを、「自分がネイティブの側」になった時に実感しました。
日本を学習している外国人と話す機会が増えた頃に、「文法がめちゃくちゃだけど、すごい早くしゃべってくる人」に何人か出会いました。
彼らは「自分は日本語ができる!」と思っているので、得意げにガンガン話してきます。
でも、僕はあまり理解できてません。最初のうちは何度か聞き返していましたが、途中から面倒になって分かったふりをしてやり過ごしていました。
そして、思いました。「ネイティブは、こんな気分で初心者相手に英会話しているんだな」と。
ストレスフリーな会話
逆に、文法力がしっかりした状態で話すと、相手に余計な負担を与えずに、快適に会話を続けることができます。
文法ミスが目立つ相手との会話に比べると、「会話内容そのもの」にフォーカスできるので、中身のある会話時間が持てるようになります。
そういう点で、「正確な作文力」は、英会話力と切っても切れない関係にあります。
そして、正確な作文力を支えるのは、「文法力」なのです。
次回は、英会話力を作る3つのスキル、
①リスニング力
②作文の正確さ
③作文のスピード
のうち、③の作文スピードについて深掘りしていきます。
・・・つづく。
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