From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
試合(英会話)の中で「話せる実感」を得るためには、2つのスキルが必要です。
相手が話している英語を「聞いて理解する力」と、自分が言いたいことをスムーズに英語に変換しながら「流ちょうに話す力」です。
相手が言っていることが理解できなければ、何て返せば良いのか分かりません。
相手が言っていることが分かっても、言葉が出てこなければ返せません。
「聞く力」と「話す力」、この2つが同時に機能した時に初めて、「話せたぞ!」という実感が持てます。
ここがポイントです。どちらか1つではないのです。両方が同時に機能した時にのみ、「話せる実感」が得られるのです。
「話せる実感」を左右する4つの条件
実は、「話せる実感」と「英語力の高さ」は必ずしもイコールではありません。たとえ英語力が同じでも、
・話の内容
・相手の話し方のクセ
・一緒にいる人(日本人)の英語力
などによって、「できた感」は大きく左右されます。その結果、
「昨日はすごく聞き取れたし話せたけど、今日はさっぱり聞き取れないし、自分が話すときも言葉が出てこない・・・」
「昨日は一緒にいる日本人の中で自分が一番話せてたけど、今日は周りの人たちにぜんぜんついて行けなかった・・・」
ということが起こります。
これは、今の実力に関係なく起こることです。初心者はもちろん、TOEIC900点を越える上級者にも起こります。
信じられないかも知れませんが、本当です。
僕の体験談をお話しします。
TOEIC950点以上&英検1級を取った後に味わった「話せる実感ほぼゼロ」
それは、僕が英検1級を取ってからしばらくした頃のことです。当時の僕は、目標を達成して自信に満ちていました。
TOEICも950点を超えていたので、「上位1%に入っている」という優越感もありました。
そんなタイミングで、当時勤めていた英会話スクールの講師研修に参加しました。
同じ会社の全国の先生たち(日本人&ネイティブ)を集めて行う、年に2回の研修です。
毎回、参加者は100名以上になる大規模な研修でした。
1テーブル6名ぐらいのグループに分かれてワークをするのですが、僕のテーブルは全体的に年齢層が若めでした。
①アメリカの大学を出たばかりの20代前半のネイティブ男性講師2名
②アメリカの大学卒の20代前半の日本人女性1名
③アメリカ在住歴の長い帰国子女の日本人女性講師1名
④40代ぐらいのアメリカ人ネイティブ男性講師1名
そして僕、という組み合わせです。
研修の内容自体はスムーズに進みましたが、昼休みになって、みんなでランチを食べに行こう!となった時に、それは起こりました。
④の中年アメリカ人男性は「俺はひとりで食べたい」と言ってどこかへ行ってしまいました。
その結果、僕が若いネイティブたち&若い日本人女性たちの中にたった1人放り込まれる形になりました。
年齢差は、おそらく10才以上ありそうです。
研修センターを出てからすぐに会話が始まり、レストランに着いてからも会話が続いていたのですが、僕には彼らの話す英語がまったく聞き取れないのです!!
彼らの会話を聞いていても、何のことを話しているのかまったく理解できないし、たまに話を振られても、まったく言葉が出てきませんでした。
「話せる実感」はほぼゼロです!!
僕の右横にいた、「大学を出たばかりのアメリカ人ネイティブ」は、やたらと僕に話を振ってきましたが、僕が話さない(話せない)ので、不満そうな表情で、
「シンヤはずいぶん静かなやつだな」
みたいなコメントをしました。
僕は心の中で、
「おまえらの話す英語が聞き取れんのじゃぃ!」
「何てコメントすればいいのか分からんのじゃぃ!」
と叫んでいましたが、こういう感覚は初めてではなかったので、表面的には冷静にやり過ごしました。
でも、心の中では葛藤が渦巻いていました。
「あ~、英検1級を取って自信がついたけど、またこういう目にあうとは・・・やっぱり、会話力と英語力はイコールじゃないんだな・・・でもやっぱ、ヘコむよなぁ・・・」
僕は、ほとんど話に参加していないにも関わらず、精神力を消耗して、ヘロヘロになりました。
昼休みなのに、エネルギー回復どころか、大幅に消耗してしまいました・・・
なぜ僕が、「話せる実感ゼロ」状態になったのか?
その理由は、さっきの3つの条件が大きく影響していました。
・話の内容
・相手の話し方のクセ
・一緒にいる人(日本人)の英語力
です。
今回の状況でこの3つが僕にどう作用したのか?を、次回の記事で詳しくお伝えしていきます。
・・・つづく。
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