From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
Y先生から夏祭りの発表会があると聞いて、僕はさらにやる気が出てきました。
以前通っていた演技スクールでも発表会はありました。
でも、それはダンスではなく演劇で、しかもかなり大規模なものでした。
東京の大ホールを貸し切って、出演者は総勢100名近く、稽古も半年前ぐらいからスタートします。
一度エントリーしたら、ふだんのレッスンに加えて、週3回ぐらいは発表会用の稽古場に通わなければなりません。
さらに、お題は毎年決められています。
海外の演劇の名作を演じることが多い印象でした。
僕は観客として一度見に行きましたが、みんなピーターパンみたいな緑っぽい西洋風の衣装を着ていて、金髪やピンクなどの派手な色のカツラをかぶって演じていました。
僕は演劇の歴史に詳しくないので、全く分かりませんでしたが、おそらく世界的に有名な古典演目だったと思います。
僕はこの時、「自分がこのジャンルを本当に仕事としてやりたいのか?」と自問自答していたので、ストーリーはほとんど頭に入ってきませんでした。
ただ、みんなピーターパン的な衣装を着ているという、ビジュアル的な部分は記憶に焼き付きました。
僕は正直、自分があのピーターパン的な衣装を着て、舞台に立つ姿は想像できず、まったくワクワクしませんでした。
さらに、この発表会にはかなりのコストがかかるため、事務所への手数料も含めるとかなりの金額の参加費を事前に支払う必要がありました。(たしか参加費は10~20万円ぐらいだった記憶があります)
加えてチケットノルマもある、というようなことを、風の噂で聞きました。
これまでは僕の中で「発表会」と言えば、その大規模な演劇舞台のイメージしかありませんでした。
ユルくて自由な発表会
でも、今回のHIPHOPダンスの発表会は、ずっと小規模で、ステージすらありません。
ただ、地元の夏祭りで駅前の「即席イベントスペース」で、アスファルトの上で踊るだけです。
会場レンタル費などの開催コストがかからないため、参加費は無料です。
さらに嬉しいことに、自分の好きな演目を勝手に加えて良い、とのことでした。
この自由さというか、いい加減さが、僕の中では最高にワクワクしました。
そして何より、発表する演目が大好きなHIPHOPダンス、とうのが嬉しいポイントです。
夏祭りの時の駅前は、ふだんの何十倍もの人出になります。
通りすがりの人達でも、こちらが印象的なダンスを披露すれば、足を止めて見てくれるかもしれません。
演劇と違って、事前にチケットを買った人が見に来るわけではないので、ダンスを見るのに飽きたらすぐに去ってしまうでしょう。
祭りの駅前で踊るのは、純粋な実力主義の世界です。
そこも、僕の中でモチベーションも上がる要素でした。
男子ダンスチーム結成!
僕は、
「今こそクラスメイトの中学生のY君とI君と3人でダンスチームを結成するのにピッタリなタイミングだ!」
と思いました。
ふだんスクールで習っている振り付けに加えて、自分たちで好きなように、やりたい演目を練習しよう!
と思いました。
僕はさっそく、Y君とI君にこの話を振ってみました。
2人ともすぐに「いいっすね!!やりましょう!」と同意してくれました。
僕は、新しい世界が開けていくのを感じてウキウキしてきました。
I君の脱退
ところが!!結成してすぐに、I君が脱退するという事件が起こりました。
まだ活動を開始する前なので、脱退という言葉が合うのか分かりませんが、3人で活動できなくなってしまったのです。
理由は、I君が受験勉強で忙しくなってしまったからでした。
I君はしっかり者で、ハッキリした自分の目標を持っている中学生でした。
行きたい高校も決まっていて、そこに入学するためには今の実力では足りないことも分かっていました。
そこで、ダンススクールに加えて塾に通っていたのですが、受験が近づくにつれて塾の方が予想以上に忙しくなってきてしまいました。
そして、夏祭りの発表会練習だけではなく、ふだんの週1レッスンも休みがちになってしまいました。
僕とY君はそんなI君の足を引っ張りたくなかったので、気持ちよく送り出しました。
受験は1度しかチャンスがありませんが、ダンスはまたいつでも戻って来れます。
I君には後悔のない選択をして欲しいと思いました。
I君は、とても残念そうにダンススクールを辞めていきました。
僕はこの時、有名なロックバンドやダンスユニットのメンバーが「方向性の違い」などの理由で解散したり、脱退したりする時の気持ちがちょっと分かった気がしました。
色んな理由があるとは思いますが、おそらくこういう状況なんだろうな、とおぼろげに思いました。
仲が良いからこそ、メンバーの新しい目標を応援したい、だから送り出す、というような感覚です。
僕はY君に聞いてみました。
僕:「Y君は受験勉強は大丈夫なの?」
Y君:「僕は全然大丈夫です!特に狙ってる高校もないし、何より今はダンスに打ち込みたいんで!」
僕:「そうか!よし!じゃあ、2人でやろう!」
Y君:「やりましょう!」
という感じで、僕らは2人で再スタートを切ることになりました。
・・・つづく。
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