【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編136】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と思って「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
映画の役を決めるオーディションで、審査員の人に最初にいきなり聞かれたのは、
 
 
「もし受かった場合は、映画の撮影スケジュールを最優先できますか?」
 
 
という質問でした。
 
 
僕は「はい!大丈夫です!」と即答しました。
 
 
おそらくここで答えに詰まる人はソッコーで脱落するんだと思います。
 
 
僕は、このために仕事を変えてスケジュール調整しやすいイトーヨーカドーのパート社員になったのです。
 
 
必要であれば仕事をやめて、映画撮影1本に専念する覚悟をしていました。
 
 
審査員の監督っぽい雰囲気の人が言いました。
 
 
監督:「では、お渡しした台本を読んでいただけますか?」
 
 
僕:「はい!分かりました!」
 
 
渡された台本は、ドラマのワンシーンを切り取ったような感じでした。
 
 
その部分だけ読んでもイメージはしやすい内容だったので、僕は東京のスクールのヒゲ先生のレッスンでさんざん練習してきた「超感情を込めたフルパワー朗読」スタイルで読み上げてみました。
 
 
声もできるだけ大きく、部屋中に響くようにしてみました。
 
 
練習時間である程度文章が頭の中に入っていたので、できるだけ台本からチラチラ目を離しながら、監督に目を合わせて話すようにしました。
 
 
 

監督の反応

セリフをすべて言い終わると、監督は「ほぅ!」というような表情で、周りの審査員の人達と目を合わせました。
 
 
監督:「かなり声が出ますね。舞台の経験がありますか?」
 
 
僕:「舞台の経験はないのですが、東京の演技スクールに通っています。そこで今のような朗読方法を教わりました。」
 
 
監督:「なるほど。今の話し方は舞台向きですね。映画の撮影の場合は、ふだん話すのと同じ大きさの声でセリフを話すことになります。今のを声のボリュームを落としてもう一度できますか?」
 
 
僕:「はい!できます。やってみます。」
 
 
僕は今度は声のトーンを落として、でも感情は込めながらしっとり目に台本を読み上げてみました。
 
 
声を出すときに「上限を伸ばす」のは大変ですが、出せるようになった声を抑えるのは割とラクです。
 
 
僕が台本をすべて読み終わると、監督はにっこりした表情で無言で手元の紙に何か書き込んでいました。
 
 
監督:「以上で終了します。ありがとうございました。」
 
 
僕:「はい!ありがとうございました!」
 
 
僕は深々と頭を下げて、最後まで気を抜かずにドアまで歩いていきました。
 
 
そして、ドアから出る時にもう一度向き直って、「ありがとうございました!失礼します!」とおじぎしながら部屋を出ました。
 
 
初めて受けるオーディションなので、就職の面接試験と同じ感覚でやってみました。
 
 
廊下に出ると係員の方が僕に向かって言いました。
 
 
「お疲れ様でした。これで終了になりますので、このままビルを出て頂いて大丈夫です。ここをまっすぐ行って、右側にエレベーターがあります。お疲れ様でした。」
 
 
僕:「はい!分かりました。ありがとうございました!」
 
 
 

オーディションの感想

受け終わった感想としては、
 
 
「思ったよりあっさりしていたな」
 
 
ということです。
 
 
聞かれたことは、「受かったらスケジュールを最優先させられるか?」ということだけでした。
 
 
その後は台本を読み上げて終わり、です。
 
 
このオーディションは映画の役を募集するのが目的です。
 
 
役の雰囲気に合うかどうか?は一瞬で判断できるのかもしれません。
 
 
どんなに演技力があっても、役の雰囲気に合わなければ採用はされないでしょう。
 
 
あるいは監督は百戦錬磨なので、一瞬で将来性を見抜く目を持っているのかもしれません。
 
 
たまにテレビのドキュメンタリーで「芸能事務所のオーディション潜入!」みたいな番組を見ることがあります。
 
 
そこでは、特に何かの役を募集するというよりも、「事務所に所属させる新人タレント」を募集するケースが多いです。
 
 
そういった「将来性を見抜くオーディション」では、
 
 
・ガッツリ課題を与えて長い審査を行う方式
 
 
・特技を披露させて1~2分ぐらいで終わる方式
 
 
の両極端なパターンが多い印象でした。
 
 
受ける側としては、ガッツリ長時間見てもらった方が、なんとなくやり切った感があります。
 
 
とはいえ、今回の台本の読み上げに、僕はこれまでスクールで学んできたことすべてを詰め込みました。
 
 
悔いはありません。
 
 
僕はすがすがしい気分でオーディション会場のビルを出ました。
 
 
・・・つづく。
 
 
 
 

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