From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※自動翻訳マシンの新型ポケトークWのレビューの続きです。
今日の例文は、空港からホテルに移動する時に役立つセリフです。
例文:タクシー乗り場はどこですか?
ポケ:Where is a taxi stand
(※ポケトークの英文は、文末にピリオドや?は表示されません)
おっ!これは良いですね!通じます。本当は、タクシー乗り場は空港内では特定の場所にあるので、a よりも the が使われるのですが、これでも十分通じます。
次の例文です。
例文:グランドホテルまでお願いします。
ポケ:Please to the Grand Hotel
う~ん・・・言いたいことは通じるとは思いますが・・・ちょっと微妙です。
Please は最後に付けた方がいいですね。
To the Grand Hotel, please.
だったらバッチリです。
ちなみにテキスト(海外旅行ひとこと英会話CD-BOOK)の例文は、
Grand Hotel, please.
と、めちゃくちゃシンプルな言い回しになっています。
(この本「海外旅行ひとこと英会話CD-BOOK」の例文は、とにかく徹底してムダを省いて、日本人の文法ミスを防ぐ工夫がこらされています)
「並べる順番」が大事
英語は、「並べる順番」で意味が決まる言語です。
Please を文の最初に持ってくる場合は、「命令文」の型になるので、すぐ後ろに「動詞」が必要です。動詞を言おうとすると、
「タクシーの場合だと、行ってくださいだから、go かな?いや、連れてってくださいだから、take かな?」
などと悩むことになります。
でも、please を一番最後に付けると、動詞を言わなくて良いので、グッとラクになります。
欲しいモノや行きたい場所を単語で発音した後に、please を付けるだけで良いのです。
Grand Hotel, please.
(グランドホテルまでお願いします)
Beer, please.
(ビールをください)
2 tickets, please.
(チケットを2枚ください)
とってもシンプルになりますよね。
では、ポケトークの検証に戻りましょう。
例文:ここまで行ってください
ポケ:Please go to here.
う~ん・・・これも微妙ですが、言いたいことは通じると思います。
文法的には、here は副詞なので、前置詞は付きません。
come here = come to this place
live here = live in this city
のように、前置詞を省きたい時に使うからです。
また、厳密にはgo と here は同時に使えません。なぜなら、go は今いる場所から離れるイメージがあり、hare は今いる場所、というニュアンスがあるからです。
とはいえ、このシチュエーションはタクシーで地図を指さしながら言っているので、問題ないかなとは思います。
ちなみにテキストの例文は、
Take us here, please.
になっていました。
そうだ!試しに、言い方を変えてみましょう。「ここ」を「そこ」に変えたら、文法的に正しくなります。
例文:そこまで行ってください。
ポケ:Please tell me there.
ん??なんか変だぞ??
あっ!
日本語文の聞き取り
よく見たら、例文の日本語が違っていました。
例文:そこまで言ってください。
ポケ:Please tell me there.
なるほど!「行って」という日本語を、「言って」と聞き間違っていました。
でも、これは日本語の発音が同じなので、違いを出しようがありません。
何度吹き込み直しても、同じ結果になりました。
ふと気付いたのですが、ポケトークが「日本語文の聞き取りに間違えた」のは、これが初めてです。
これって、逆にスゴいことのような気がします。日本語は同じような発音で違う意味の言葉が多くて、聞き取りが難しい言語です。
それをここまで正確に聞き取ってくれるとは・・・これだけでもかなりの能力です!
・・・つづく。
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