From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がジーンズショップで働いていた頃、初めて英語のテキストを買って外国人のお客さん相手の英会話を経験した時のエピソードの続きです。
米軍兵士との初めての「たどたどしい英会話」を経験して、僕のモチベーションはモーレツにアップしました。
その状態で接客英会話フレーズをさらに覚えるために車の中でCDをかけ続けていましたが、米軍兵士たちはなかなかやって来ませんでした。
彼らがやって来るのは、数ヶ月に1度ぐらいです。ブランクが空くと、生活スタイルがいつものペースに戻ってしまうため、なかなか続けづらくなります。
ただ、僕には強烈な記憶が残っていたので、「あの興奮をまた味わいたい!」という強い欲求がありました。
その欲求が、僕をかろうじて動かしていました。
ただ、時間が過ぎるにつれて、最初の頃のようなドキドキ感は薄れていきました。
僕はこの時、改めて「環境は大事だな」と痛感しました。モチベーションを保つには、自分の環境を「英語モチベーションを高める」のに役立つようにしておく必要があると気付きました。
ただ、当時の僕には、何をどうすればいいか分かりませんでした。外国人が集まるバーがあること自体知らなかったし、英会話スクールに通うなんて選択肢もありませんでした。
忘れた頃にやってくる!
それからしばらくたった頃、僕の英語モチベーションが平行線になって薄れていたタイミングで、突然やって来ました!米軍兵士の軍団が!!
毎回思うのですが、タイミングが予想できません。きっかり3ヶ月おきとかに来るわけでもないし、どういうサイクルで彼らが動いているのか、よく分かりません。
でも、ひとつだけ言えることは、「彼らは平日の昼間に突然やって来る」のです。しかも、大軍で!
他のお客さんがいないタイミングで、急に大人数でやってきます。だから、こちらも接客せざるを得ないのです。
逃げてもムダです。なぜなら、向こうからガンガン英語で話しかけてくるからです。こっちが英語を理解しているかどうかなんて、お構いなし!です。
その日も、午後3時過ぎ頃に、また彼らが大軍で押し寄せてきました。
アグレッシブなやつら
今回の米軍メンバーは、前回とは違いました。ハッキリ顔を覚えているわけではありませんが、なんというか、雰囲気が違うのです。
それはもう、彼らがお店に入ってきた瞬間から分かりました。
小柄な黒人男性が大きな声で笑いながら話しています。店の入り口から中に向かってズンズン進んできます。
そして、僕らスタッフが入り口で「いらっしゃいませ~!」と言った瞬間に、その黒人男性が僕の方に向かって話しかけてきました。
彼:「What did you say?」(何て言ったの?)
これは聞き取れました。不意を突かれて、すでに僕の心臓は飛び出しそうなぐらいバクバクしています。
僕:「あ・・・えっと、I siad, いらっしゃいませ。」
彼:「What? What does it mean?」(え?それってどういう意味?)
僕:「え~と・・・う~ん、it’s… may I help you?」
彼:「What?」
その黒人男性は、まるで映画のワンシーンのように、しかめ面をした後、両手を上げて「意味分からん」というようなジェスチャーをしました。
ものすごい表情豊かです。
僕は、彼の声のデカさと顔の表情の豊かさに圧倒されて、心臓が飛び出しそうなぐらい緊張してきました。
彼は、「納得いかん!」といった表情で、また英語でまくし立ててきました。
僕が理解できたのは、さっきまででした。今はぜんぜん分かりません。
でも、なんとなくジェスチャーや表情から、「なぜ、そんな大きな声で May I help you? を言うんだ?」と言っているような気がしました。
たしかに、日本のお店では、店員さんはみんな「いらっしゃいませ~!」と大声で叫びます。
それは僕らジーンズショップも例外ではありませんでした。
・・・つづく。
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