【僕が「習い事」に感じた夢と希望:ダンス編51】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
 
※僕が24才の時にHIPHOPダンススクールに通い始めた頃の体験談の続きです。
 
 
発表会の本番当日、僕はまだ観客が入っていないステージを、客席側から眺めていました。
 
 
客席は想像以上に広くて、席数は何百個もあります。
 
 
そして、ステージもすごく大きくて、立派な作りです。
 
 
一番前の席に座ると、目線よりもだいぶ高い所にステージがあります。
 
 
ステージ上にはスポットライトがいくつも当たっていて、他の場所が暗くなっているので、すごい迫力があります。
 
 
BGMが爆音で鳴り響き、腹の底までビリビリと振動が伝わってきます。
 
 
目の前には、非日常的な光景が広がっています。
 
 
爆音のBGMに合わせて、ジャズダンスの生徒たちがステージ上に出て踊り始めました。
 
 
動きに合わせて、スポットライトの位置も変わります。
 
どうやっているんだろう?
 
 
とライトの光源を探すと、観客席の一番後ろの上の方に小部屋があって、照明の担当者が動いている姿が見えました。
 
 
映画館で後ろから映写しているのと同じ場所です。
 
 
「客席の一番後ろにスポットライトを操る部屋があるのか!」
 
 
僕にとっては、こういうステージは初めてでした。
 
 
演技の学校に通っていた時には、舞台に出る希望者を募っているポスターを見たことがありますが、出演は断念しました。
 
 
・チケットノルマがキツい(売り切れない時には役者が自腹で負担しなければならない)
 
 
・練習のために頻繁に東京に通う必要がある。
 
 
この2つの理由で断念しました。
 
 
役者を目指していた頃は、本格的なステージの上に立つのは、かなり遠い世界のように感じていました。
 
 
あれから数年、まさかのタイミングで、僕はこの本格的なステージに自分が立つことになるとは・・・
 
 
しかも、その本格っぷりを、本番当日の午前中に初めて知ることになるとは・・・
 
 

リハーサル初体験

 
発表会の本番は午後からなので、午前中は全体で通しのリハーサルをしました。
 
 
バレエクラス、ジャズダンスクラス、ヒップホップクラスの順番で、リハーサルをしました。
 
 
自分たちの出番がないうちは客席側に座って、どんな風に見えるかチェックすることができます。
 
 
このリハーサルは、照明さんや音響さんたちと僕ら出演者の呼吸を合わせる場でもあります。
 
 
舞台スタッフの監督の方が、舞台袖で待機中の出演者にGOサインを出して、それからみんなが舞台に飛び出していきます。
 
 
この一連の流れを、みんなで合同練習するのです。
 

 

タイミングが難しい

 
リハーサルはぶっつけ本番なので、かなりボロボロでした。
 
 
みんなの呼吸がバラバラで、
 
 
「次に出る人たちがまだ準備ができてない!」
 
 
とか、
 
 
「ステージの準備が整う前にキッズダンサーたちが舞台に飛び出してしまった!」
 
 
とか・・・
 
 
ミスが出るたびに、先生も舞台スタッフの方々も、バタバタしていました。
 
 
「こりゃ思った以上に大変そうだ・・・」
 
 
僕は客席で見ていて感じました。
 
 
人ごとではありません。
 
 
自分の出番でも、タイミングを間違えてしまいそうです。
 
 

出るタイミング

 
ステージに出るタイミングは、けっこう難しいです。
 
 
・照明が当たっていなくて真っ暗なうちに、出演者がステージ上に出ておく「板付き」と呼ばれるパターン。
 
・先に照明が当たって、音楽も鳴り始めてから、出演者がステージ上に出てくる「音先(おとさき)」というパターン。
 
 
大きくこの2種類があるのですが、どの曲が板付きで、どの曲が音先なのか?を覚えておく必要があるのです。
 
 
これを間違うと、現場がかなり乱れてしまいます。
 
 
この出るタイミングの違いが全員に伝わらず、先生や舞台スタッフもピリピリしている感じでした。
 
 
僕は、自分たちのHIPHOPクラスのリハーサルの出番が近づくにつれて、ドキドキしてきました。
 
 
 
・・・つづく。
 
 
 
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