【たまに「背伸びした英語」を練習するメリット③】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む

前回の記事では、松本茂先生の講演会で学んだ「背伸び英語学習法」を元に、僕の「背伸びテキスト体験談」をお伝えしました。

最初に僕が背伸びしたテキストは、DUO3.0でした。

最初はキツかったですが、背伸びしたことで、一気に英単語力が上がりました。

次に僕が背伸びしたテキストは、松本先生監修の名著シリーズの1つ「速読速聴英単語Core1900」です。

僕にDUO3.0を勧めてくれたK君が、「次にやるなら、コレだよ!」と紹介してくれたのです。

K君いわく、「Core1900の収録英単語のレベルは、DUO3.0とほぼ同じぐらいだから、レベル的にはちょうど良い」そうです。

そこで僕は、気軽な気持ちでCore1900を買って音読してみました。

初めて速読速聴英単語Core1900に手を出した時の挫折感

ユニット1を音読してみて、感じたこと。それは、

「ぜ、全然分からない・・・読めない・・・」

ということでした。

確かに、色づけされた見出し語の英単語は、DUO3.0で見かけたものばかりです。

でも、Core1900の文章は読めないのです。

理由は2つありました。

①見出し語以外の英単語で、知らないものが多すぎる。

②出だしからピリオドまでが超長い文章ばかりで、構文が理解できない。
後から分かったのですが、Core1900の例文は実際のナマの英字新聞から持ってきたものが多く、完全に「ネイティブ向けに書かれた記事」が素材でした。

しかも、新聞記事なので、話し言葉ではなく書き言葉です。

僕がこれまで見たことがないほど長く、難しい英文でした。

僕は完全に撃沈しました・・・

DUO3.0で自信を付けたはずなのに、その自信は粉々に打ち砕かれた気分でした。

と同時に、「英単語力だけでは文章は理解できない。長文を理解するためには、長文を読解する力が必要だ」ということを、身をもって体感しました。

でも当時の僕は、長文を読解する力を鍛える必要性を感じていませんでした。

「英語で新聞を読むなんてことは、この先の人生で絶対ないだろうな。俺は英会話だけができればいいんだ!」

と思っていました。

その時にはCore1900の英文に立ち向かう理由がなかったので、ユニット1で撃沈したまま、本棚にしまって終わりになりました。

3度目の背伸び体験:初めてカナダに留学した時

僕の次の背伸び体験は、初めてカナダ留学した時でした。

31才で仕事を辞めて、3ヶ月間、カナダのバンクーバーにビジネス留学しました。

この時は、必要とされる英語力と僕の英語力は、けっこうギリギリ状態でした。

やっとこさ受かった感じです。

ビジネスコースに入学するためには、日本にいる時点でTOEIC730点以上が必要でした。

僕の当時のTOEICの点数は、ギリギリ735点でした。

また、僕はそれまで一度も海外旅行をしたことがなく、パスポートすら持っていませんでした。

右も左もまったく分からないまま、ギリギリの英語力で留学したので、最初の1ヶ月目の授業ではリスニングもリーディングも周りのスピードに全然ついて行けず、ボロボロ状態でした。

「しまったー!背伸びし過ぎたー!」と思いました。

でも、人間の慣れとは不思議なもので、2ヶ月目には心に余裕が出てきて、普通に授業についていけるようになりました。

実際には「英語力」という点ではまだギリギリレベルだったと思いますが、環境に対する慣れのおかげで、心に余裕が出たのです。

「ギリギリ状態で、脳みそをフル回転させること自体に慣れた」

と言った方がいいかもしれません。

海外という逃げられない環境だったからこそ、踏ん張れた部分もあると思います。

僕は、自分の順応力に驚きました。

背伸びし過ぎだと思っていることでも、やってるうちにだんだん慣れてきて、へっちゃらになるもんだなぁ~という気付きは、自信につながりました。

留学は日本人にとっては、「究極の背伸び体験」かもしれません。

背伸び体験で自信を付けた僕は、カナダ留学中に、あのCore1900に再び手を伸ばすことになりました。

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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